老眼は老化現象の1つ!老眼の原因と予防・対策方法をレクチャー
2020年11月29日日本郵便を名乗った詐欺メールにご注意ください!
2021年1月18日排便に関する悩みは、ちょっと恥ずかしいから人に相談できない…という人が多いはず。
人によって毎日お通じがある人もいれば、便秘気味の人もいるでしょう。
食生活の変化から、最近では便秘で悩んでいる人が増えているとも言われています。
ここではなぜ便秘になってしまうのか?
便秘を予防するためにどうすればよいのか?などを詳しくまとめていきますね。
目次
【便秘とは?】
便秘とは排便が上手くできていないことを言います。
実は、便秘に関しては共通の定義がありません。
日本内科学会では「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」という定義になっています。
一方、慢性便秘症診療ガイドラインによると「本来体外へ排出するべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されているのです。
便秘は何日間か出ないなど排便回数が少ない…という症状だと思っている人が多いですが、実は不快感や残便感があるという場合も便秘とされているわけです。
また2日排便がなくても不快感がない場合は便秘ではありませんし、逆に1日出ないだけで残便感がある人は便秘症と診断される場合もあります。
【便って何からできているの?便秘の人の便の特徴とは?】
良好な腸内環境であれば排便は1日1回程度と言われています。
食べたものを消化・排便するまでの時間は24時間が目安となっています。
一般的な便の水分量は80%程度ですが、大腸に長時間便がとどまってしまうと、水分がどんどん吸収されてしまうため、便の水分量は70%以下となります。
水分量の減った便は硬くなり、腸内で動きづらくなるため、排便しにくくなり、どんどん溜まって便秘がひどくなる…という悪循環に陥ってしまうでしょう。
先ほど便の80%は水分で出来ているという話をしましたが、残りの20%は何からできているのでしょうか?
残りの20%のうち1/3は食べたもののカス、1/3は生きた腸内細菌、1/3は腸粘膜の剥がれ落ちたものです。
実は便には腸内細菌が含まれていて、1gの便に約1兆個の腸内細菌が含まれているんですよ。
腸内細菌は腸内の健康に大きく関与していて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があります。
それぞれの腸内細菌は以下のような働きをしています。
・善玉菌:悪玉菌の侵入を防ぎ、腸運動を促進する
・悪玉菌:腸内の内容物を腐らせて、有害物質や毒素を生成する
・日和見菌:善玉菌が優勢の時には善玉菌の味方につき、悪玉菌が優勢の場合には悪玉菌の味方となる
基本的に、健康的な腸内環境を持っている人であれば、腸内細菌のバランスが一定条件で保たれているのです。
便には生きた腸内細菌が含まれているので、便の状態を見れば腸内環境がよいかどうかその人の健康状態をチェックすることができるというわけ。
理想的な便は以下の通りです。
・バナナのような形状でバナナ2~3本くらいの量
・臭いはきつくなく、練り歯磨き粉くらいの硬さ
・いきむことなく出せて、水に浮くかるさ
このような便であれば、腸内細菌のバランスが保たれていて腸内環境は健康であると言えるでしょう。
一方、便秘症の人はどのような便をしているでしょうか?便秘の人の便の特徴は以下の通りです。
・ガチガチの硬い便
・ウサギの糞のように小さくコロコロしている便
・ひょろひょろと細長い便
・色は黒褐色
・いきまないと出ず、水に沈む
・臭いがきつい
このような便が出る人は、腸内細菌バランスが崩れていて、腸内環境が悪化している可能性が高いです。
【便秘はよくないことなの?】
毎日便が出なくても大丈夫でしょ!と安易に考える人がいますが、便秘はよくありません。
便秘になると腸内に便が長期間溜まった状態になります。
そうすると腸内細菌に悪い影響を与えてしまうのです。
腸内に溜まった便がエサとなってクロストリジウムなどの悪玉菌が増殖し始めます。
悪玉菌が増えると、発ガン物質や発ガン促進物質、硫化水素、アンモニアなどの有害物質や毒素、おならの元となるガスなどを発生させます。
便秘になるとうんちが臭くなったり、おならの回数が増えたりするのは、腸内で悪玉菌が増えている証拠なんですよ。
さらに便秘が続くと、悪玉菌が発生させた有害物質は腸壁から吸収されて血液中を巡ることになります。
すると肌荒れなど他の病気や症状につながる恐れもあるのです。
【便意が起こるメカニズムとは?】
食べたものは胃や小腸で消化されて、水分を多く含んだドロドロの液状で大腸に入ります。
大腸でゆっくりと水分が吸収されて固形化し、便の形になって肛門へ送られます。
この際に何日間も腸の中に便が停滞すると、便の水分が腸壁に吸収されすぎてしまうため、便はカチカチの状態になって硬くなり、コロコロの便になってしまうでしょう。
便が肛門に到達すると便意が起きて、排便をします。
では便意はどのように起こるのでしょうか?
腸の動きは自律神経によって支配されており、大腸がぜん動運動を起こすことで便を体外へ排出します。
このぜん動運動が起こるきっかけとなるのは、何を食べたり、飲んだりして胃にものが入った時です。食事をして胃に物が入ると、それが刺激となって大腸の蠕動運動は始まります。
大腸の中のS字結腸に届いた便は、直腸へ送られます。直腸の壁に便が押し付けられ、その刺激によって肛門の内肛門括約筋が弛緩します。
それと同時に大脳に「便が来た」というサインが伝わって、大脳から「便を出しなさい」という指令が出るのです。
排便する準備ができると、内肛門括約筋の外側にある外肛門括約筋も緩み、排便します。
【便秘にはいくつか種類がある】
便秘はその原因によっていくつかの種類があります。
腸管の病気による「器質性便秘」と、腸管の機能異常によって起こる「機能性便秘」に大別することができるのです。
ここでは便秘の種類をまとめてみましょう。
<器質性便秘>
器質性便秘は、イレウス、大腸ガン、腸管癒着、虚血性大腸炎、クローン病など器質的な原因があって起こる便秘のことです。
小腸や大腸などの消化管に通過障害が起こるタイプで、便秘以外にも血便、激しい腹痛、嘔吐などが起こる場合もあります。
また器質性便秘では腸管穿孔を起こす恐れもあるため、下剤などを使用してはいけません。
病気の影響で腸が狭くなったり、腸の動きが弱くなったりして便の通りが悪くなります。
器質性便秘の場合、原因となる病気の治療が必要となります。
腸管の病気においては外科治療が必要になるケースもあるでしょう。
<機能性便秘>
機能性便秘は、病気や薬剤、加齢や食事摂取量が少ない…などの理由で腸管に機能異常が生じて起こる便秘のことです。
機能性便秘の原因となる病気には、甲状腺機能低下症、糖尿病、神経線維腫症、うつ病、膠原病、便秘型過敏性腸小症候群などがあります。
また機能性便秘の原因となる薬剤には、向精神薬、抗コリン薬、オピオイド系薬などがあります。
次に機能性便秘のタイプをご紹介しましょう。
・弛緩性便秘
弛緩性便秘は大腸の運動が低下することによって起こる便秘です。
腸管の緊張がゆるんでしまい、便を押し出す腸のぜん動運動が十分に行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて便が硬くなってしまいます。
この弛緩性便秘は、便秘の中でも頻度が高く、特に高齢者や女性に多いです。
(症状)
弛緩性便秘になると、おなかが張る、残便感がある、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状が出やすくまるでしょう。
(原因)
運動不足、水分不足、腹筋力の低下、食物繊維不足、極端なダイエットなどが誘因となります。
・けいれん性便秘
けいれん性便秘は、副交感神経が過度に興奮することによって腸管が緊張してしまい、便がうまく運ばれず、ウサギの糞のようにコロコロとした便になってしまう便秘のこと。
(症状)
食後に下腹部痛や残便感などが出る場合があります。また便秘と下痢を交互に繰り返すケースも多いでしょう。
(原因)
精神的ストレスや過敏性腸症候群などが原因となり、大腸が過緊張を起こしてしまいます。
・直腸性便秘
便が直腸に到達しても排便のサイン(排便反射)が起こらず、直腸に便が停滞してしまう便秘のこと。
直腸内に大量に便が溜まって水分が吸収されるので、硬くなった便が蓋をした状態になってしまうのです。
(症状)
直腸性便秘は、便が肛門近くまで下りてきているのに、力めば力むほど出せないという症状が起こります。
(原因)
排便を我慢することが原因となり、高齢者や寝たきりの人に多く見られます。また痔のはずかしさなどによって排便を我慢する習慣がある人にも多いでしょう。
【便秘は女性と高齢の人に多いのはなぜ?】
高齢者と女性は便秘になりやすいと言われています。
ではなぜ高齢者と女性は便秘になりやすいのでしょうか?
その理由をまとめてみましょう。
<高齢者が便秘になりやすい理由>
便秘は年齢とともに割合が増えて、80歳以上になると男女ともに全体の10%の人が便秘を訴えるようになります。
高齢になると便秘が増える理由は以下の通りです。
・筋力の低下
加齢とともに筋力は落ちてしまいます。腹筋や肛門括約筋などの筋力が低下すると便を排出しにくくなるため、便秘になりやすくなります。
・食欲の低下
食欲が低下すると体内に入る食物量が減るため、便の量も必然的に減少します。食物繊維などの摂取量が減るとさらに便の量は減り、便秘になりやすくなるでしょう。
・薬の副作用
高齢になると慢性的な病気になり薬を服用する機会も増えてきます。薬によって副作用で便が出にくくなる場合もあり、便秘を発症する人が増えます。
・便意の感じにくさ
高齢になると便意を感じにくくなると言われており、そのことが原因で便秘になるケースがあります。
<女性が便秘になりやすい理由>
日本人女性の半数以上に便秘の症状がみられると言われるほど、便秘で悩んでいる女性は多いでしょう。
男性に比べて女性が便秘になりやすい理由は以下の通りです。
・男性に比べて筋力が少ない
女性は男性に比べると筋力が少ないです。
特に女性は男性よりも腹筋が弱いため、大腸が便を送り出す力が弱いと言われており、便秘になりやすいでしょう。
・ホルモンの作用
男性に比べて女性に便秘が多いのは女性ホルモンが影響しています。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがありますが、便秘に関連するのはプロゲステロン(黄体ホルモン)。
排卵後~生理までの間に分泌量が増えるプロゲステロンは、、妊娠中にも継続して分泌されます。
このプロゲステロンは体に水分や塩分をため込む作用があり、大腸の腸壁から便の水分が吸収されて便が硬くなってしまうのです。
またプロゲステロンには、妊娠成立時に流産しないように子宮筋の収縮を抑制する働きがあります。
その作用が腸にも影響して、腸のぜん動運動を低下させるため便が排出しにくくなり、プロゲステロンの分泌量が増加している際には、便秘になりやすいのです。
特にプロゲステロンが多く分泌される月経前や妊娠初期は便秘になりやすい女性が多いでしょう。
・無理なダイエット
体重を落とすことを重視しすぎて、無理な食事制限をするダイエットは便秘の原因となります。
食事量を減らすことで、食物繊維や水分、脂肪分が減ってしまいます。
そのため、ぜん動運動などにも影響が出てしまい、便が硬く、排出されにくくなってしまうのです。
・精神的理由やストレス
女性は恥ずかしさのために人前では便意を我慢してトイレに行かないケースも少なくありません。
また忙しくてなかなかトイレに行けないと言う人もいるでしょう。
このようなことが便秘につながるケースがあります。
また、旅行などで環境が変わると便秘になる女性も多いです。
・病気によるもの
女性に甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症などは便秘の原因となります。
【便秘の症状は?】
では便秘になるとどのような症状があるのでしょうか?
便秘になると便が出ないという症状だけではなく、その他にも症状が現れることがあります。
ここでは便秘によって引き起こされる症状についてまとめてみましょう。
<お腹の張り、痛み>
便秘になるとお腹に便がたくさん溜まった状態になります。
そうするとお腹にガスが発生しやすくなり、そのガスが貯留することでお腹が張りやすくなるでしょう。
またお腹の張りだけではなく、お腹の痛みを伴うこともあります。
便秘になってお腹の張りを訴える方は非常に多く、お腹が張って痛い、下腹部の不快感がひどいという声をよく耳にします。
<おならの回数が多くなる、おならが臭くなる>
おならは水素、酸素、二酸化炭素、メタンなど匂いのないガスで構成されています。
しかし便秘になり腸内環境が悪化すると、悪玉菌が発生させた硫化水素、アンモニアなどが含まれるようになるのです。
この硫化水素やアンモニアは匂いが強く、おならが臭くなると腸内では悪玉菌が増えているというバロメーターになります。
便秘になると腸内に溜まった便を餌にして悪玉菌が増殖します。
増殖した悪玉菌が臭いおならをたくさん発生させてしまうというわけです。
便秘になると、おならがたくさん出る、おならが臭いなどの症状が出やすいでしょう。
また便秘でなくても肉類をたくさん摂取した場合、おならが臭くなることがあります。
<痔・脱肛>
便秘の方は、便の水分が腸壁に再吸収されて便が硬くなってしまっています。
一般的な便の水分量は80%ですが、便秘の方の便は70%以下と硬くなっているでしょう。
硬い便の場合、排泄する際に肛門を傷つけてしまって痔になることあります。
また硬い便はするっと排出するのが難しいため、排便時にいきむことがあります。
このいきみによって脱肛してしまうケースも少なくありません。
便秘でお悩みの方の中には、痔になりやすく排便時に肛門から出血するなどの声も多いのです。
便秘を改善することで排便がスムーズになり痔も治りやすくなるでしょう。
<食欲低下>
便秘になると腸内に便がたくさん溜まっている状態になります。
腸内にたくさん便が詰まっていると、新しい食べ物を腸に送り込むことができなくなるため下腹部に膨満感があり、食欲低下につながります。
またひどい場合には、吐き気などを引き起こしてしまうこともあるでしょう。
<肌荒れ>
便秘になると引き起こされる代表的な症状の1つに「肌荒れ」があります。
便秘になって肌荒れがひどくなった…という経験をしたことがある人は多いでしょう。
実は腸内環境と肌の健康には深いつながりがあるのです。
腸内環境が乱れて便秘になると腸内では悪玉菌が増えて有害物質やガスが大量に発生します。
この有害物質は腸壁から吸収されて血液中を巡りまわります。
血液の中に溶け込んだ有害物質は肌まで運ばれてニキビなどの肌荒れを引き起こしてしまうのです。
また便秘になると自律神経が乱れやすくなり、自律神経が乱れることで肌のターンオーバーサイクルが上手く機能しなくなり肌荒れを起こしやすくなります。
便秘になるとニキビなどのできものが出来るだけではなく、肌のハリやツヤの低下にもつながりやすいです。
<イライラしやすくなる、うつ症状を引き起こしやすくなる>
脳と腸には密接な関係があり、偏食やインスタントやジャンクフードばかり食べるなど腸内環境を悪化させる不規則な食生活をしている人は、うつ病などの精神疾患を有している人が多いという研究結果が報告されています。
つまり腸を健康にしておくことは、メンタルケアにおいも重要なのです。
便秘でお腹が張ったり、不快感があったりすると精神的にイライラしやすくなるでしょう。
また便秘による肌荒れも大きなストレスとなります。
便秘を改善することで体調がよくなり、イライラやストレスを軽減できるようになるでしょう。
【便秘の原因とは?】
便秘の原因には様々で、主な原因は以下の通りです。
・食物繊維の少ない食事
・偏食やダイエットで食事量が極端に少ない
・水分量の摂取が少ない
・ストレス
・排便反射の低下
・腸運動や筋力低下
・消化器系疾患(大腸ガン、クローン病、過敏性腸症候群)による腸の狭窄、閉塞、ぜん動運動障害
・糖尿病、甲状腺機能低下症などの内科系疾患
・自律神経失調症、パーキンソン病、脊椎損傷などによる腸のぜん動運動の麻痺症状
・内服薬による副作用
などがあります。
このように便秘のタイプによっても原因は様々で、便秘を改善するためには原因別の治療や予防策を行う必要があります。
例えば生活習慣や食生活の乱れによって起こる便秘であれば、それらを改善すれば便秘も解消できます。
しかし消化器系、内科系疾患が原因で便秘が起こっている場合は、根本的原因となっている疾患の治療を行わなければ便秘は改善されません。
便秘の原因や種類によって、適切な治療が必要な場合もあるので、自己判断ではなく医療機関で相談した方が安心でしょう。
ただ便秘の原因は一般的に生活習慣によるものが多いです。
そのためまずは規則正しい生活を送ること、バランスの取れた食生活を心がけること、適度な運動、排便習慣をつけるなど生活習慣の改善への取り組みが重要となります。
また過度なストレスは便秘を引き起こしやすいので、うまくストレス解消することも大切でしょう。
【便秘の診断、検査とは?】
便秘の診断では、実際にどのような排便習慣なのか?を詳細に確認します。
週に何回ほど排便があるのか?便の硬さはどれくらいなのか?排便後に残便感や不快感はあるのか?などを医師から質問されるでしょう。
また何かしらの病気や薬剤が便秘に関与していることもあるので、病気の有無や、薬剤の服用の有無なども確認します。
便秘症での検査としては、大腸通過時間検査や排便造影検査などが行われることもあります。
大腸ガン、甲状腺機能低下症、糖尿病などの器質的病気が疑われる場合は、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)や血液検査などが行われることもあるでしょう。
【便秘の治療とは?】
便秘症の治療では、食物繊維の多い食事を心がける、規則正しいバランスの取れた食事を取る、睡眠時間をしっかりと確保する、適度な運動をする、水分摂取を積極的に行うなど生活習慣の改善を行います。
また便秘治療では、薬物療法を行うケースもあります。
ここでは便秘治療で使用する薬剤についてまとめてみましょう。
<塩類下剤>
腸管内に水分を呼び込むことで腸のぜん動運動を促進する下剤です。
塩類が腸管内の浸透圧を高めて、水分が腸管内に移動し、便を柔らかくして増やすことで、ぜん動運動が高まります。
・硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなど
<膨潤性下剤>
薬剤自体が腸管内の水分を吸収して膨張し、ぜん動運動を促進させる下剤です。
腸管内で水分を吸収して膨らみ便を軟化させ、便容積を膨大させることで腸管壁刺激して、ぜん動運動がアップします。
・プランタゴ、オバタ種子(食物繊維)など
<浸潤性下剤>
便を軟便化させ、排便を促す下剤です。
界面活性作用により、便の表面張力を低下させて、硬い便に水分を浸透させて柔らかくします。
・ジオクチルソジウムスル、ホサクシネートなど
<刺激性下剤>
腸管神経叢に直接作用させて、ぜん動運動を亢進する下剤です。けいれん性便秘には使いません。
・センノシド・Ca、センナアロエエキス、ダイオウエキス、カサントラノール、ピコスルファートNaなど
<漢方>
便秘治療では漢方を服薬することもあります。
便秘に効果のある漢方は以下の通りです。
・大黄甘草湯
体力が低下している人にも使いやすく、常習的な便秘におすすめです。
・麻子仁丸
老人や秒後の習慣性便秘に用いられることが多いです。
・大承気湯
肥満気味な人、胃腸が丈夫な人の便秘におすすめです。
・防風通聖散
腹部に皮下脂肪が多く、便秘気味な人、特に女性に多く用います。
<生薬>
便秘に効果的な生薬もあります。
・ケツメイシ
腸の働きを整える作用があります。
・カンゾウ
腸のけいれんをやわらげ腹痛を抑える作用があります。
<浣腸>
腸壁を滑りやすくさせて、腸を刺激することで動きを活発にさせます。
浣腸は乱用すると便意を感じにくくなることもあるので注意が必要です。
・グリセリン
<座薬>
腸内に炭酸ガスを発生させて大腸に刺激を与え、排便を促します。
直腸性便秘におすすめです。
・炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム
<整腸剤>
整腸剤には善玉菌などの整腸生菌成分が含まれます。
腸内環境を整える作用があり、腸内で善玉菌を増やし、有害な悪玉菌の増殖を抑えます。
・乳酸菌類、ビフィズス菌、納豆菌、酪酸菌
薬物療法の場合、同じ下剤を長期間連用すると、精神的な依存に陥りやすいです。
また腸の筋力低下によって、習慣性になってしまったり、効果が出にくくなったりすることもあります。
そのため、同じ下剤を連用するのではなく、作用の異なる下剤に変更したり、徐々に減量したりすることが大切です。
乳酸菌などが含まれた整腸剤は下剤に比べると効き目がおだやかで腹痛などを伴いません。
腸内環境バランスを整えて、便秘や軟便・下痢などの症状を改善することができるでしょう。
【便秘を予防するためには?】
便秘を予防するためには、どのようなことに気を付ければよいでしょうか?
ここでは便秘の予防策についてまとめてみましょう。
<水分補給をしっかりと行う>
水分の摂取不足は便が硬くなり、便秘を引き起こしてしまうでしょう。
水分を十分に摂取することで、便の水分が少なくならず、便秘予防に効果があります。
1日に摂取する水分量の目安は一般的には1日1.5L程度と言われています。
便を柔らかくするために水分摂取は欠かせないので、こまめに水分を摂るようにしたいですね。
また起きたらすぐにコップ1杯の水を飲むのもおすすめです。
朝起きてすぐに水を飲むことで睡眠中に体から出てしまった水分を補うことができます。
また水が腸にほどよい刺激を与えてくれるので便秘予防につながります。
<食物線維や乳酸菌などを積極的に摂取する>
便秘に効果のある食物繊維や乳酸菌などは積極的に摂取したいです。
食物繊維は便秘解消に役立つ栄養素の1つで、便秘が気になる人は意識的に摂取するのがおすすめです。
特に水溶性食物戦を多く含んだものを食べるのがよいでしょう。
食物繊維はキノコ類、豆類、海藻類、果物などに多く含まれています。
乳酸菌などを多く含むヨーグルトなどの発酵食品も、便秘を和らげる作用がありますよ。
ただ食物繊維に関しては、腸の手術を受けた人などは摂取を控えた方がよいケースもあります。
まずは医師に相談してみるのがよいでしょう。
また、食物繊維の摂りすぎは軟便や下痢を引き起こしてしまうこともあるので注意して下さい。
<適度な運動を心がけ、できる範囲で体を動かす>
無理のない範囲で体を動かすことは便秘予防に効果的です。
適度に体を動かすことで腸の活動は活発になります。
ハードな運動でなくても、ウォーキングなどでも効果はあるので、できる範囲で始めてみましょう。
体を動かして運動することが難しい人は、お腹をマッサージする、お腹を温めるなど腸の動きを促すように工夫するのもおすすめです。
お腹をマッサージする時には、優しく「の」の字を描くようにマッサージすると効果的です。
<生活リズムを整えて決まった時間にトイレに行く>
毎日同じ時間に起きて寝るという規則正しい生活を行い、生活リズムを整えましょう。
生活リズムを整えてしっかり睡眠を取れば、自律神経を整えることができます。
自律神経が整うと腸への働きも活性化されるので、便秘が改善されやすくなりますよ。
また決まった時間に落ち着いてトイレに入ることができれば、排便の習慣がつくでしょう。
また排便する際には、前かがみの姿勢になると便が出やすくなりますよ。
<落ち着いて排便できる環境を整える>
落ちついて排便できる環境を整えることは便秘予防には欠かせません。
排便できる環境が整わないと、便意が来ても排便できなくなり便秘になりやすいでしょう。
便意を感じたらすぐにトイレに行って我慢しないようにすることが大事です。
我慢し過ぎると腸の活動が悪くなるため、便意を感じにくくなります。
また便意がない時でも毎日きまった時間(朝など)にトイレに行き、排便する習慣をつけることもおすすめです。
【便秘におすすめの栄養素は?】
便秘対策には食生活の改善がおすすめです。
ここでは便秘予防におすすめの栄養素をご紹介しましょう。
<食物繊維>
食物繊維はヒトの消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分のこと。
セルロース、ペクチン、グルコマンナン、キトサンなどがあります。
野菜に多く含まれる食物繊維ですが、食事の欧米化に伴い日本人の1日摂取量は減少傾向にあります。
日本人が1日に摂取している食物繊維は15g程度と言われており、快便になるためには20gが必要です。
つまり多くの日本人は食物繊維の摂取量が不足しているという現状があります。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
それぞれまとめてみましょう。
・不溶性食物繊維
人参、ゴボウなどの根菜類、玄米・麦などの穀類、サツマイモなどのイモ類、大豆・小豆などの豆類に多く含まれています。
胃や腸に入ると水分を含む大きく膨らむため、大腸まで運ばれると腸のぜん動運動を促して排便につながります。
・水溶性食物繊維
昆布やワカメなどの海藻類、キャベツ・大根などの野菜類、大豆などの豆類、大麦・ライ麦などの麦類に多く含まれています。
水分保持能力が高く、便をドロドロと粘りのある状態にすることができます。
便を柔らかくすることができるので、排便をスムーズにしてくれるでしょう。
また水溶性食物繊維は腸内細菌によって分解され、短鎖脂肪酸を作る原料にもなります。
短鎖脂肪酸は悪玉菌の増殖を抑えて、腸内細菌叢を改善する作用があるので便秘にも効果的です。
<プロバイオティクス>
プロバイオティクスとは人間の体にとっていい働きをする生きた微生物のことです。
乳酸菌やビフィズス菌などはプロバイオティクスに該当します。
乳酸菌やビフィズス菌を豊富に含むヨーグルトや乳酸菌飲料などを積極的に摂取することで、腸内環境が整い、善玉菌優位の状態を保てるでしょう。
また腸内細菌は特定の善玉菌だけを増やせばよいわけではありません。
菌の多様性も重要になるので、漬物、納豆、キムチなど様々な発酵食品を積極的に摂取することで、様々な菌を取り入れることができます。
<オリゴ糖>
善玉菌のエサとなるオリゴ糖をプロバイオティクスと一緒に摂取すれば、プロバイオティクスが増殖しやすくなり腸内環境によい影響を与えてくれるでしょう。
オリゴ糖はバナナやはちみつなどに多く含まれており、シロップになったオリゴ糖も市販されています。
ヨーグルトにオリゴ糖シロップをかけて食べれば善玉菌の増殖を促進できるでしょう。
<マグネシウム>
マグネシウムは腸管内へ水分を移動させて、便を柔らかくする作用があります。
硬水にはマグネシウムなどのミネラル類が豊富に含まれているため、便秘が気になる方は普段の水分摂取を硬水にするとよいでしょう。
硬水を飲むとお腹がゆるくなる人もいるので、量は調節してみてください。
硬水を飲むのは難しい…という人は、マグネシウムを多く含む塩などを食事に取り入れてみましょう。
塩であれば料理に使うので、食物繊維と一緒に摂取できますね。
<油類>
油を適度に摂取することは便秘予防につながります。
特に植物性油脂に多く含まれるリノール酸、リノレン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸は大腸での便の滑りをよくして、腸のぜん動運動を促す作用があります。
特にオリーブオイルは効果が高いと言われていますよ。
またすりゴマは食物繊維と油脂を一緒に摂取できるのでおすすめです。
【便秘解消におすすめの食材とは?】
便秘解消におすすめの栄養素をご紹介しましたが、次はおすすめの食材をまとめてみましょう。
<ヨーグルト>
ヨーグルトには整腸作用があり、腸内環境を整えてくれます。
乳酸菌やビフィズス菌など多種多様のプロバイオティクスを含んでおり、自分の腸にあった菌のヨーグルトを摂取するのがおすすめです。
乳酸菌やビフィズス菌などは胃酸の影響を受けやすいため、食後の摂取がよいでしょう。
<漬物>
ぬか漬け、キムチなどの漬物は乳酸菌を豊富に含有しています。
特に植物性食品に多く含まれる乳酸菌は、酸や温度変化に強いと言われる菌なので胃酸で死滅しにくく、大腸まで到達しやすいです。
梅干しは発酵食品ではありませんが、胃腸を活発にする働きがあるクエン酸を多く含んでいるため便秘予防にもぴったりです。
<納豆>
大豆を納豆菌で発酵させてできたのが納豆です。
納豆は食物繊維を豊富に含んでいて、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維の比率が2:1と理想的なバランスとなっています。
納豆菌は生きたまま腸まで届きやすい植物性の発酵食品になるので、善玉菌を増やして消化を助けることができるでしょう。
<キャベツ>
キャベツは不溶性食物繊維を豊富に含みます。
不溶性食物繊維は便のカサを増やして排便を促す作用があります。
加熱しても含有量は変わらないので、加熱した方がたくさん摂取できるのでおすすめです。
またキャベツはビタミンUを豊富に含有。ビタミンUは胃腸を守り、傷ついた粘膜を修復する働きがあります。
<わかめ>
水溶性食物繊維を豊富に含んでいるわかめは低カロリーでありながら栄養豊富です。
海藻特有のぬめり成分であるフコダイン、アルギン酸などの水溶性食物繊維をたっぷりと含んでいるわかめは、便を柔らかくして排便を促進し、腸内環境を整えていきます。
<もち麦>
穀物類は食物繊維を豊富に含んでいますが、特におすすめなのがもち麦です。
もち麦は食物繊維含有量が精白米の約20倍ともいわれており、大麦-βグルカンと呼ばれる水溶性食物繊維を豊富に含んでいます。
毎日食べる白米にもち麦を混ぜて炊くことで手軽に食物繊維を摂取できますよ。
<大豆>
大豆は水溶性、不溶性の食物繊維をバランスよく含有しています。
また大豆を加工したきな粉には善玉菌の餌となるオリゴ糖を多く含みます。
<リンゴ>
リンゴに多く含まれるペクチンは水溶性食物繊維で、水に溶けるとゼリー状になり、便を柔らかくして排便を促してくれます。
逆に下痢の際には、ゼリー状の膜で腸壁を守る作用もあります。
リンゴの皮や皮近くの部分には、食物繊維やビタミンCが豊富に含まれているため、皮つきのままリンゴを食べた方が便秘予防には効果的でしょう。
<キウイ>
キウイの食物繊維はバナナの2倍もあると言われています。
またビタミンCの含有量も多く、その量はレモンに匹敵するほど。
ビタミンCは善玉菌のエサとなり、分解される時にガスを発生させて腸の動きを高めたり、便を柔らかくしたりする働きがあります。
【便秘予防におすすめのサプリメントはあるの?】
ここでは、当店で取り扱っているサプリメントの中で便秘予防におすすめの商品をご紹介しましょう。
<ヘルスライフ シーププラセンタ>
ヘルスライフ社のシーププラセンタは、羊由来の100%ピュアプラセンタのサプリメントになります。
プラセンタにはホルモンバランスを整える作用があるため、女性ホルモンバランスの乱れが改善されます。
ホルモンバランスの乱れによって起こる便秘でお悩みの方にはシーププラセンタは非常に有効でしょう。
<ヘルスライフ プロポリス>
ヘルスライフ社のプロポリスは、フラボノイドを豊富に含んでおり、ビタミンやミネラル、アミノ酸、必須脂肪酸なども含有しています。
プロポリスには善玉菌を殺さずに、悪玉菌を退治してくれる働きがあります。
この作用によって腸内環境を整えることが可能。腸内環境が整えば排便も促進されるので、便秘予防におすめです。
<月見草オイル>
月見草オイルには必須脂肪酸であるγリノレン酸が豊富に含まれています。
γリノレン酸は女性にとって強い味方となる栄養素の1つ。
別名ビタミンFとも呼ばれているγリノレン酸は、PMS(生理前症候群)を軽減する効果があります。
プロスタグランジンE1という成分が増えることで、PMS(生理前症候群)に対して作用し、生理前に起こる便秘症状を改善できます。
<ヘルスライフ スーパーアトランティックフィッシュオイル>
ヘルスライフ社のスーパーアトランティックフィッシュオイルはニュージーランド産の天然フィッシュオイルサプリです。
魚に豊富に含まれるDHAやEPAなど必須脂肪酸のオメガ3系を豊富に含有。
便秘気味の人は油分の摂取が欠かせません。油分を摂取することで便通が良くなり、腸のぜん動運動もスムーズになります。
【まとめ】
食生活など生活習慣を改善することで多くの便秘は改善されます。
規則正しい生活を送り、排便する習慣をきちんとつけることで便秘を予防できるでしょう。
食事においては食物繊維やプロバイオティクスを積極的に摂取して、サプリメントなどもうまく活用することで無理なく便秘予防の生活を続けられるでしょう。