痔の最大の原因は便秘や下痢だった!妊婦さんの9割近くが痔になるってホント!?

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前回は下痢の種類や原因、下痢のときにおすすめの食べ物やNG食品をご紹介しました。

 

 

生活習慣を変えることで症状を改善できる場合がほとんどです。
しかし、病気が原因の下痢は医師の治療を必要とするため、症状が長引いたり不安に思ったりしたときは病院に行くのが一番です。

 

慢性的に下痢や過敏性腸症候群に悩んでいる方の中には、お尻のトラブル“痔”を抱えているという人も多いのではないでしょうか。
便秘や下痢が“痔”の原因になることをご存知ですか?

今回は“痔”と腸内環境の関係性について詳しく解説していきます。

 

3人に1人が“痔”にかかっている!痔の種類と症状を知っておこう

今や3人に1人が痔を患っているといわれるくらいですから、誰がなってもおかしくありません。
腸に何らかのトラブルを抱えている人は要注意。
もしかすると、気が付いていないだけの“隠れ痔”の可能性があるかもしれないのです。

 

痔の定義って何?肛門の構造は意外に複雑だった!

痔というのは、そもそもどんな病気なのでしょうか。

一般的には肛門の病気を総称して痔と呼ばれています。
ちなみに、肛門はお尻の穴とイコールではありません。

お尻の穴の縁から3〜4cmの管状の部分を指します。

 

 

 

胎児がお腹の中で成長する過程で、原始直腸と呼ばれる腸の管とお尻から窪んでくる皮膚が繋がってできるものが肛門です。

腸の管と皮膚の境目はギザギザした形状で「歯状線」と呼ばれています。
歯状線より上の直腸粘膜には知覚神経がないため痛みを感じませんが、下にある肛門上皮には知覚神経があるため痛みを感じるのです。

 

さらに、肛門の周辺には血管が網の目状に集まった静脈叢があるため、排便によって負担がかかるとうっ血しやすくなっています。

 

全体の50%以上を占めるいぼ痔(痔核)

肛門にいぼができる痔を「いぼ痔(痔核)」といいます。
肛門を閉じる役割のクッション部分がうっ血して腫れたものです。

 

いぼ痔は痔の中でもっともなりやすく全体の50%以上を占めるといわれており、歯状線を挟み直腸側にできたいぼ痔を「内痔核」、肛門側にできたいぼ痔を「外痔核」と呼びます。

 

内痔核は痛みを感じにくいため、排便時の出血や肛門からの痔の脱出が主な自覚症状となります。
軽度であれば脱出しても排便後には元に戻りますが、重度になると常に外に出た状態になってしまい手術が必要となります。

一方、外痔核は激しい痛みを伴いますが出血はあまりありません。

 

肛門の皮膚が切れる切れ痔(裂肛)

硬い便を無理やり押し出そうとすることで肛門の皮膚が切れたり裂けたりする痔を「切れ痔(裂肛)」と呼びます。男性よりも女性に多い傾向にあります。

排便時に激しい痛みと出血を伴うため気が付きやすいのですが、傷みのあまり排便を我慢してしまうことで便秘が誘発され、便が柔らかくならないという悪循環に陥りやすいです。

慢性化すると炎症が起きたり潰瘍ができたりして肛門が狭くなることがあり、手術が必要になる場合もあります。

 

肛門が細菌に感染してできる痔ろう(あな痔)

直腸と肛門周辺の皮膚に膿の溜まったトンネルができる症状を痔ろう(あな痔)といいます。女性よりも男性に多い傾向にあります。
肛門が細菌に感染し化膿することで起こるため、肛門から膿が出てしまうことも。

 

膿が溜まった状態はまだ痔ろうには至っておらず「肛門周囲膿瘍」と呼ばれる段階で、これが慢性化すると痔ろうになります。
そのほか、肛門周辺の腫れやズキズキとした痛み、38〜39℃の高熱が出るなどの症状がみられます。

肛門周囲膿瘍、痔ろうともに手術が必要となるため、早期に医療機関を受診することが望ましいです。

 

痔の最大の原因は腸内環境の悪化!ホルモンバランスや生活習慣も要因です

たかが痔と侮ることなかれ。痔は悪化すると手術しなければならず、痛みや不快感も伴うため、なる前に予防しておきたいですね。

痔の原因はいぼ痔、切れ痔、痔ろうとそれぞれ異なるため、ここで詳しく説明していきたいと思います。

 

女性はホルモンや冷えの影響で痔になりやすい

痔を患っている男女比は3:2で男性の方がやや多いという調査結果もありますが、最近は男女比がほとんどないという説が濃厚。
というのも、女性は痔になりやすい要因を多くもっているからです。

 

その代表といえるのがホルモンバランスの乱れによる便秘。排卵から月経までの期間は女性ホルモンの黄体ホルモンが分泌されやすいのですが、このホルモンは体に水分を溜める働きをもっています。それにより腸壁の水分が不足し、便が硬くなってしまうことで痔(主にいぼ痔、切れ痔)を誘発させてしまうのです。

 

また、妊娠中や出産前後の女性は9割近くが痔を発症するというデータもあります。
その多くはいぼ痔で、赤ちゃんの成長に伴い肛門周辺が圧迫されることや出産時に強くいきむことなどでうっ血するのが原因と考えられます。

加えて、冷え症の方は肛門周辺の血流が悪くなりやすいため痔になりやすいといえます。

 

同じ姿勢や辛い物の食べ過ぎも痔の原因です

長時間のデスクワークで座りっぱなしの姿勢が続くこともいぼ痔の原因になります。

 

 

 

辛い物やアルコールを嗜好している方も注意が必要です。
特に暴飲暴食は便の水分量に悪影響を及ぼすため、肛門が傷つきやすくなったり細菌に感染しやすくなったりします。
肛門を清潔に保つためにも、うっ血を予防するためにも、シャワーだけでなく入浴することが大切です。

適度に身体を動かす習慣や規則正しい食生活を身につけ、お尻を冷やさないことを意識しましょう。

 

便秘や下痢が痔の一番の原因です

いぼ痔、切れ痔、痔ろうとすべての“痔”に共通して言えることは、便秘や下痢が最大の原因であるということです。
実際、切れ痔を患っている人の6割以上が慢性的に便秘を抱えているんだとか。

 

便秘になると、どうしてもトイレに長時間こもって強くいきみがちですが、肛門に負担をかけてしまいうっ血(いぼ痔)や出血(切れ痔)、粘膜が傷つくことによる炎症(痔ろう)に繋がります。

痔を予防するためには諦めも肝心。無理に便を出そうとせず、排便の時間は3〜5分程度を目安にして一旦トイレから出ましょう。

 

下痢も便秘と同様、肛門に負担をかけるため痔の天敵とされています。
水分量の多い下痢が長期にわたって続くと、肛門に圧力がかかって粘膜を刺激したり、細菌感染を起こしたりする恐れがあり望ましくありません。

 

腸内環境を良好にして痔を予防しよう♪お尻の洗い方にもコツがあります

女性特有のホルモンバランスなど、自分では解決が難しい問題もあると思います。
しかし、痔の原因はほとんどが普段の生活を少し変えるだけで取り除けるものばかり。

まずは最大の原因である便秘や下痢の解消、そしてお尻を正しく洗うことから始めていきましょう。

 

温水洗浄便座の依存に注意!優しくお尻を洗いましょう

排便後は丁寧にお尻を拭くようにして汚れが残らないようにしましょう。

ただし、ゴシゴシと強く擦るのはNGです。
トイレットペーパーを優しく押し当てるようにするのがポイント。

 

 

 

 

トイレの温水洗浄便座(ウォシュレット)機能を利用して洗い流すのも効果的ですが、水圧をあまり強くしすぎるとかえって良くないことも。

皮膚の弱い肛門部分を洗いすぎて皮膚炎を起こしたり、温水洗浄便座の刺激がないと便が出にくくなったりする「ウォシュレット依存」に陥る可能性があるからです。

 

朝食を食べることで自然な便意を起こそう

慢性便秘に悩む方の中には、朝食を抜く習慣がある人も多いのではないでしょうか。

朝食を摂ることで腸の蠕動運動が活発に働き、自然な便意が起こりやすくなります。
時間がなくてどうしても食べられないという場合は、コップ一杯の水だけでも効果が期待できるため、早速試してみてください。

 

毎日の食事では食物繊維を多く摂ることを心掛けると良いです。

食物繊維は腸内で水分を吸収する性質をもつため、便のカサを増やして適度に軟らかくしてくれます。
さつまいもやブロッコリー、納豆、大豆、わかめ、キノコ類などを積極的に食べましょう。

 

プロバイオティクスが痔の原因を取り除いてくれる!

便秘や下痢、そして二つの症状を繰り返す過敏性腸症候群は腸内細菌のバランスが崩れることで起こります。

善玉菌と悪玉菌、日和見菌のバランスが理想的な状態になれば、腸の不調も改善されるでしょう。
そのためには規則正しい生活や睡眠時間の確保などが必要ですが、善玉菌を経口摂取する方法も有効です。

 

昨今は過敏性腸症候群の患者が増加傾向にあり、専門的に治療を行っている医療機関もあります。
治療方針の基本は生活改善ですが、薬による治療やプロバイオティクスを併用するケースも多いです。

 

「病院に行くのは抵抗がある」「薬に頼らずに治したい」「痔を悪化させたくない」
という方にとって、プロバイオティクスは心強い味方になってくれるでしょう!

 

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