実の中まで青紫色のビルベリーとは?!ブルーベリーの2~5倍ものアントシアニンを含むって本当?!
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2020年8月4日
みなさんはブルーベリーなどのベリー類に含まれるアントシアニンという成分をご存じですか?
このアントシアニンは抗炎症作用が期待でき、アスピリンの10倍の効力を持っているとも言われているんですよ。
ここではアントシアニンの特徴についてまとめてみましょう
目次
【アントシアニンと言えばブルーベリー】
ブルーベリーといえば青紫色の実が特徴ですよね。
実は、この青紫色は「アントシアニン」という色素なんです。
アントシアニンという名前を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、いまいちどんな成分なのか分かっていない…という人もいるでしょう。
アントシアニンはポリフェノールの一種で、自然界にある天然色素。
ポリフェノールとは、紫外線やウイルスなどの外敵から実を守るために植物が作り出したファイトケミカルなんです。
つまりポリフェノールであるアントシアニンを多く含むブルーベリーはウイルスや紫外線対策にも良いということ。
ちなみにアントシアニンは配糖体であるアントシアニジンと糖で構成されていて高い抗酸化力を持っていることでも知られていますね。
【500種類以上もあるアントシアニン】
アントシアニンはブルーベリーの青紫色だけではなく、赤色、紫色、青色などいろいろな色調を持っています。
自然界には500種類以上のアントシアニンが存在していて、pH、温度、濃度、金属イオン、酵素など様々な条件によって、色調や構造は変化します。
例えば、梅干しの赤い色も赤しその葉に含まれるアントシアニンの色になるんですよ。
自然界に存在する天然色素であるアントシアニンは合成着色料と比べても安全性が高いです。
そのため、食品分野での需要も高く、様々な加工食品の着色にも使われているんです。
さらに近年ではアントシアニンの強力な抗酸化力に注目が集まっていて、生理機能や効果を利用するためにアントシアニンが用いられることが多くなっています。
【アントシアニンはどんな働きをしているの?】
アントシアニンは植物が紫外線や有害な光などのダメージから体を守るという働きを持っています。
人間でいうところのメラニン色素と同じ働きをしているんですよ。
人間では太陽から紫外線を浴びると、メラニンという色素を生成して肌を黒くすることで、体内に紫外線が入らないように防御しています。
体内に紫外線を入れないことで細胞がダメージを受けないように体を守っているのです。
一方、植物ではメラニン色素ではなく、アントシアニンなどの色素を作って、体内に紫外線が入りこまないようにしているというわけ。
例えば、ナスは濃い紫色をしていますが、太陽の光が当たりにくいヘタの下部分は青紫色が薄くなっていますよね?
その部分に関しては光が当たりにくく、紫外線の影響を受けにくいため、アントシアニンの量も少なく、色が薄くなっているんですよ。
【アントシアニンで期待できる生理作用、効果とは?】
天然色素で安全性が高いため、食品やサプリでも広く利用されているアントシアニンですが、その生理作用や効果をまとめてみましょう。
<抗酸化作用>
アントシアニンは体の老化やガンや生活習慣病などの疾患に深い関わりのある活性酸素を除去する抗酸化作用が認められています。
活性酸素は紫外線やストレスなどで体内に発生する成分で、大量に発生すると動脈硬化、脳卒中、ガンなどを引き起こすこともあると言われています。
アントシアニンには安定した抗酸化作用があり、体内で大量発生した活性酸素を除去してくれますよ。
ちなみにアントシアニンの抗酸化力は、ビタミンEの数倍の力があると言われています。
<視力改善作用>
アントシアニンにはロドプシンと呼ばれる成分の再合成を手助けする作用があります。
このロドプシンとは目の網膜にある紫色の色素のことで、ロドプシンに光が当たることによって生じる信号が脳に送られると「目が見える」と認識されます。
このロドプシンは光に当たるとビタミンAに分解され、再び再合成されます。
長時間目を酷使すると、ロドプシンの再合成が間に合わなくなり、ロドプシン量は減少してしまうでしょう。
ロドプシン量が減ると、ものが見えにくくなり、視界が曇ります。
また目がチカチカするなどの症状もあるでしょう。
アントシアニンはロドプシンの再合成を促進することで、眼精疲労を回復させ視力を改善させる作用が期待できます。
「ブルーベリー=目によい果物」というイメージが強いと思いますが、このように言われるようになったのは、ブルーベリーに大量のアントシアニンが含まれているからなんです。
さらにアントシアニンには網膜に張り巡らされた毛細血管の保護、強化作用や血液循環を向上させる作用もあります。
ちなみにアントシアニンの眼精疲労回復、視力改善作用は即効性があると言われています。
アントシアニンの摂取後4時間程度で眼精疲労の回復が確認でき、その効果は24時間程度で消失してしまいます。
つまり即効性はあるアントシアニンですが、持続性は期待できないため毎日欠かさずに摂取することで眼精疲労回復、視力改善には必要となるのです。
<夜間の視覚機能回復>
アントシアニンの視力改善作用は昼間だけではなく、夜間の視覚機能や暗順応機能を促進する作用も期待できます。
つまりアントシアニンには「夜目が効く」効果も確認されているんですよ。
<糖尿病性網膜症の予防効果>
糖尿病の合併症として有名なのが糖尿病性網膜症です。
網膜症では毛細血管のトラブルによる網膜剥離などを引き起こしやすくなります。
アントシアニンはこの糖尿病性網膜症の予防にも効果を発揮しており、毛細血管のトラブルを正常化する作用があります。
<メタボリックシンドローム予防>
アントシアニンには内臓脂肪の蓄積を抑制し、メタボリックシンドローム予防に効果が期待できます。
アントシアニンを混ぜたエサをマウスに与えたところ、脂肪の合成が低下、内臓脂肪や血液中の脂肪の蓄積が抑制される、血糖値の上昇が抑えられるなどの作用が確認されました。
さらにアントシアニンには血圧上昇を抑制する作用、動脈硬化を抑える作用も報告されており、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の要因に対して働きかける効果的な成分であると言えるでしょう。
<白内障予防>
白内障は目の水晶体が白く濁ることによって見えにくくなり、視力が低下する目の病気です。
アントシアニンにはこの白内障予防に効果があるとされています。
水晶体はタンパク質でできていて、体の老化でタンパク質が変性してしまうと、水晶体は白く濁り、視力に影響を与えてしまいます。
アントシアニンには強力な抗酸化力があるため、白内障予防に効果を発揮すると言われているのです。
水晶体は光の通り道となるため、紫外線による酸化ダメージを受けやすい部位です。
酸化すると水晶体の濁りは引き起こりやすくなり、白内障になるリスクも高まります。
アントシアニンの抗酸化力によって水晶体を紫外線ダメージから守れば、水晶体の酸化リスクも低下し、白内障予防につながりますよ。
実際、マウスによる実験ではアントシアニンが含まれた餌を食べたマススは白内障の進行速度が緩くなったという報告があります。
<緑内障予防>
緑内障とは視神経が何らかの要因によってダメージを受けて、視野や視力が損なわれてしまう病気のことです。
緑内障は眼圧が高くなることで視神経を圧迫して発症するケースもありますが、そのほかに眼圧が正常であっても緑内障になる患者さんもいます。
この場合は、視神経が酸化ストレスによってダメージを受けて弱ってしまうため起こると言われていますよ。
アントシアニンの持つ抗酸化力が、酸化ストレスと戦うことで緑内障予防につながります。
<花粉症予防>
アントシアニンには花粉症に対する働きや効果も研究結果から明らかになっています。
花粉症になるとくしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が現れますね。
これは体内に入ってきた花粉を有害なものとしてみなし、体の外へ追い出そうとするために起こる反応です。
この時ヒスタミンという物質が放出され、花粉を洗い流そうとくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状を引き起こしてしまうのです。
アントシアニンにはヒスタミンを減少させる働きがあるため、花粉症の症状が緩和されます。
花粉症にかかりやすいマウスにアントシアニンが含まれる餌を食べさせたところ、食べさせていないグループと比べてヒスタミンが60%も減少したという報告が上がってきています。
<毛細血管保護・強化作用、循環改善作用>
アントシアニンにはビタミンPと同じように、毛細血管保護・強化作用や循環改善作用が期待できます。
体内組織に栄養や酸素を送る役割を持つ毛細血管は、適度な透過性が保たれていなければなりません。
アントシアニンには毛細血管の透過性が良くなりすぎるを抑制し、血小板の凝固を抑制することで血液をサラサラにする循環改善作用も期待できます。
網膜には毛細血管が張り巡らされているので、毛細血管保護・強化作用や血液循環を向上させる作用は、視力改善効果につながります。
<コラーゲンの安定化>
アントシアニンにはコラーゲンを安定させる作用があります。
コラーゲンとは弾力性分のことで、皮膚の弾力はコラーゲンがあることによって保たれています。
タンパク質であるコラーゲンは、みずみずしいハリのある肌を保つには不可欠な成分。
コラーゲンは目の角膜や水晶体にもたくさん含まれているので、コラーゲンの合成を促進することによって目の保護にもつながります。
さらに、アントシアニンは傷の回復を早める作用もありますよ。
<抗炎症作用、抗潰瘍作用>
アントシアニンには局部の血行をスムーズにして、潰瘍などの粘膜のダメージを埋める抗潰瘍作用があります。
またアントシアニンには炎症を押さえる働きも報告されており、アントシアニンが炎症を抑える強さは、アスピリンの10倍にもなると言われているんです。
アスピリンと違って胃にも負担がかからないので、大変優れていますね。
アスピリンとはアセチルサリチル酸のことであり、代表的な消炎鎮痛剤の1つ。
抗血小板薬でもあり、体内の酵素であるCOXを阻害して血小板凝集を抑え、血栓の形成を抑えて血管を詰まらせないようにするお薬です。
バファリンなどの鎮痛薬に含まれているのもアスピリンになりますよ。
アントシアニンが鎮痛薬であるアスピリンの10倍もの作用を持つとは驚きですよね。
このようにアントシアニンにはたくさんの効果が作用が期待できます。
特に抗炎症作用に関しては、消炎鎮痛剤のであるアスピリンの10倍もの作用があると言われるほど。
抗酸化作用はもちろんですが、抗炎症作用もしっかりと効果が期待でき、植物性の天然由来であるため自然の力で安心して利用できますね。
次回はアントシアニンを多く含むブルーベリーの品種「ビルベリー」についてまとめてみましょう。