プラセンタの睡眠への効果・効能・作用 まとめ8 後編
2018年11月4日プラセンタの更年期障害への効果・効能・作用 まとめ9 後編
2018年11月4日プラセンタには様々な効果が期待できますが、その中の1つに更年期障害の症状改善があります。
更年期障害は閉経前後の女性におこる症状で、様々な体の不調を引き起こしてしまいます。
プラセンタはつらい更年期障害の症状改善に有効であり、医療機関においてはプラセンタ注射によるプラセンタ療法も行われています。
更年期障害のプラセンタ療法は、保険適用もされているので、保険診療による治療が可能です。
プラセンタの更年期障害への効果・効能まとめ 前編では、更年期障害の症状別のプラセンタの効果・効能をまとめていきましょう。
更年期障害の症状は以下のように大別することができます。
・血管運動神経系の症状
・精神神経系の症状
・皮膚・分泌系の症状
・消化器系の症状
・運動器官系の症状
それぞれの症状別のプラセンタの効果・効能を解説していきます。
目次
【血管運動神経系の症状に対するプラセンタの効果・効能とは?】
血管運動神経系の症状には
・ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)
・動悸・息切れ
・寝汗・発汗
・むくみ
などがあります。
それぞれの症状の特徴とプラセンタの作用をまとめてみます。
<ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)>
更年期の60%が経験するといわれるホットフラッシュ。
2から4分間持続する熱感、発汗があり、脈拍が増加します。
このホットフラッシュは女性ホルモンのエストロゲンの減少によって、血管の収縮・拡張をコントロールする自律神経のバランスが乱れることによって起こします。
また夜間にホットフラッシュが起きると、眠りの妨げになるため不眠につながることも…
プラセンタに含まれる成長因子の1つである神経細胞増殖因子(NGF)は、神経細胞の増殖促進、神経伝達物質の生成促進などの作用があります。
神経細胞を増やすことによって、エストロゲン減少でバランスが崩れた自律神経の働きを立て直し、自律神経バランスを整えていきます。
自律神経のバランスが正常に戻れば、血管の収縮・拡張もコントロールされ、ホットフラッシュ症状は起こりにくくなります。
<動悸・息切れ>
運動後に起こる動悸とは異なり、激しく体を動かしていないのに突然胸がどきどきします。
これは更年期に入り、卵巣機能が衰え女性ホルモンの分泌が低下することによって起こります。
卵巣機能は低下しているのにも関わらず、脳の視床下部では女性ホルモンが減ったという指令のもと、性腺刺激ホルモンを出し続けます。
この状態が続く、視床下部パニックを起こし、自律神経のバランスをが崩れます。
自律神経は呼吸、拍動をつかさどっているので、動悸、息切れなどの症状を引き起こしてしまうのです。
プラセンタには自律神経のバランスを整える作用があるので、拍動や呼吸のコントロールを正常に戻し、動悸・息切れ症状を改善していきます。
<寝汗・発汗>
寝汗・発汗はホットフラッシュと同様、更年期障害の代表的な症状の1つ。
昼間だけではなく、夜間、睡眠時にも発汗は起こります。
就寝中に起こる寝汗・発汗で寝苦しさや不眠症状を訴える人は多いです。
寝汗・発汗もホットフラッシュと同様、エストロゲンの減少によって自律神経バランスが崩れます。
すると自律神経が調節している血管の拡張や収縮がうまくコントロールされなくなり、体温調節がきちんとできなくなってしまいます。
そのため大量の汗をかいてしまうのです。
プラセンタには自律神経の交感神経・副交感神経の神経細胞を増殖させて、活性化させる働きがあります。
自律神経バランスが正常になれば、寝汗・発汗の症状は改善されるでしょう。
【精神神経系の症状に対するプラセンタの効果・効能とは?】
精神神経系の症状には
・頭痛
・めまい
・不眠
・不安感
・イライラ
・うつ
などがあります。
それぞれの症状の特徴とプラセンタの作用をまとめてみます。
<頭痛>
更年期に起こる頭痛には、片頭痛と緊張型頭痛があります。
片頭痛は頭の片側だけが痛む症状が特徴的で、発作中に悪心、吐き気を伴うことも。
また光や音に過敏になったり、視野の一部が欠ける資格症状や感覚麻痺などの感覚症状が現れることもあります。
緊張型頭痛は、頭全体が締め付けられるように痛む頭痛です。
日常の動作で悪化したり、発作中に悪心、吐き気を伴うことはありません。
片頭痛は更年期に急激にエストロゲンが減少することで引き起こされます。
特にエストロゲンの分泌量が増減しやすい閉経前に症状は悪化し、エストロゲンの変動を収まる閉経後には症状が軽くなります。
一方緊張型頭痛は、血流低下が原因と考えられています。
更年期には、内臓器官の働きが低下しやすく、血液の循環が悪くなり、血流低下になりやすいです。
プラセンタには血行促進作用があり、基礎代謝、新陳代謝を活性化させる働きがあります。
血流低下を改善することで、緊張型頭痛を解消できるでしょう。
またプラセンタにはホルモンバランスを調整する作用もありので、ホルモンバランスの乱れによっておこる片頭痛にも対処できます。
<めまい>
めまいにはいくつかの種類があり、それぞれ症状が異なりますが、更年期障害で起こるめまいは非前庭性めまいと言われています。
体がふらふらする、床が揺れている感覚でまっすぐに歩けない、天井がぐるぐる回っているような感じがするなどの症状があります。
このめまいはホルモンバランスの乱れによって、自律神経バランスが崩れることによって起こります。
また加齢による機能低下、ストレスも原因となります。
プラセンタに含まれる成長因子には自律神経を活性化させて、正常な働きに戻す作用があります。
またストレスを解消し、リラックスさせる効果もあるので、めまい症状を改善できるでしょう。
<不眠>
不眠には、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つのタイプがあります。
加齢とともに不眠症状を訴える人は多いですが、特に閉経後の女性で不眠症状を訴える人は多いです。
更年期に不眠が増加してしまうので、エストロゲンの減少に伴いホルモンバランスが崩れます。
ホルモンバランスが崩れることによって、自律神経のバランスも乱れてしまうのです。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、睡眠時には副交感神経が優位に働きます。
しかし自律神経バランスが崩れてしまうと、交感神経が優位になりやすく、夜になっても交感神経の働きが活性化されて、眠りを妨害してしまうのです。
また更年期障害の症状の1つであるホットフラッシュや発汗は、寝ている間にも起こります。
この症状がおこることで不眠症状を引き起こしてしまう場合もあるでしょう。
そのほか、更年期の症状として起こる、不安、抑うつ、イライラなどの精神症状によって不眠が生じたり、女性ホルモンが減少し男性ホルモンのバランスが大きくなることで男性に多い睡眠呼吸障害を更年期に発症してしまう方も多いです。
プラセンタにはホルモンバランスや自律神経バランスを整える働きがあり、眠る際には副交感神経が優位い働くように、自律神経を正常に作用させていきます。
またプラセンタには睡眠に欠かせないメラトニン、セロトニンと呼ばれるホルモンの分泌を活性化させる働きがあるので、質の高い睡眠を導いてくれるでしょう。
<不安感>
更年期におこる不安感には理由もなく暗い気持ちになる、興味があったものに関心がなくなる、不安で落ち着きがなくなるなどの症状があります。
これらの不安感は、更年期に伴い卵巣機能は低下しているにも関わらず、脳ではホルモンを出すようにと指令が続き、脳の視床下部、下垂体の機能が乱れてしまいます。
この視床下部は、女性ホルモンだけではなく、様々なホルモンの分泌、精神活動、生命活動をつかさどる自律神経をコントロールする場所です。
その場所の働きに変調が起こることで、自律神経バランスやホルモンバランスが乱れ、症状を引き起こします。
また更年期は、母親としての役目が終わる時期である場合が多く、喪失感を感じることも。
女性の心理や環境的要因が変化しやすい時期のため、精神症状を引き起こしやすいのです。
プラセンタには、自律神経バランス、ホルモンバランスを調整する作用があり、心を落ち着かせるリラックス作用もあります。
つらい不安感を解消して、心のリラクゼーションができるでしょう。
<イライラ>
更年期は、ちょっとしたことでイライラしたり、怒りやすくなったりと、感情のコントロールができにくくなります。
これは、神経伝達物質の1つでストレスホルモンと呼ばれるノルアドレナリンをコントロールするセロトニン分泌が不足してしまうために起こります。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、女性ホルモンのエストロゲン分泌が減少することで、このセロトニン分泌も減ってしまいます。
セロトニン分泌が減少すると、感情がコントロールできなくなり、イライラ感が募ります。
プラセンタには、幸せホルモンであるセロトニンの生成を促進する作用があります。
セロトニンの主成分は必須アミノ酸であるトリプトファンです。
プラセンタには豊富なアミノ酸が20種類以上含有しており、その中の1つにトリプトファンも含まれています。
セロトニンを生成するトリプトファンをプラセンタで摂取できれば、セロトニン生成が促進され、イライラ感をおさえることができるでしょう。
<うつ>
更年期によく起こる症状として、不安やうつ症状があります。
ものごとに興味を持てなくなる、楽しめない、気分が落ち込む、憂鬱な気分になる、疲れて気力がでない、食欲がない、眠れなくなるなどの症状が起こります。
更年期に入り卵巣機能が衰退することで、エストロゲン分泌が減少します。
エストロゲン分泌が減少すると視床下部・下垂体機能は乱れてしまい、自律神経症状、精神神経症状、内分泌系の症状を引き起こし、うつの症状も現れます。
また更年期の女性は、社会的にも心理的にも不安定な状況で、最もストレスを受けやすい時期と言われています。
この時期に様々な体の不調が重なり、うつ症状を引き起こしてしまうのです。
プラセンタにはストレスを解消させるリラックス効果があります。
心を落ち着かせることで、症状が安定していきます。
またホルモンバランスや自律神経のバランスを調整する作用もあるので、うつ症状を緩和できます。
【皮膚・分泌系の症状に対するプラセンタの効果・効能とは?】
皮膚・分泌系の症状には
・のどの渇き
・ドライアイ
があります。
それぞれの症状の特徴とプラセンタの作用をまとめてみます。
<のどの渇き>
更年期には喉や口が異常に渇きます。
唾液の分泌料が減少することに引き起こされます。
女性ホルモンのエストロゲンには、粘膜や皮膚を保護して潤いを保つ作用があります。
更年期にはエストロゲン分泌量が減少してしまうので、粘膜が乾燥しやすく、のどの渇きを感じやすくなるでしょう。
プラセンタには自律神経に関連する神経細胞の増殖を促進する神経細胞増殖因子(NGF)と呼ばれる成長因子が含まれます。
この成長因子の働きによって自律神経の働きが活性化され、エストロゲンの減少によってバランスを崩していた自律神経の働きを調整していきます。
自律神経には唾液の調整を行う働きもあるので、自律神経の働きが正常に戻れば唾液量が増え、のどの渇きを感じにくくなります。
<ドライアイ>
更年期には眼精疲労が起こりやすく、目が乾くドライアイの症状も多いです。
目の表面を覆う涙の膜が途切れやすくなり、角膜など表面の粘膜が荒れた状態になってしまいます。
更年期には卵巣機能の低下に伴い、エストロゲンが減少します。
エストロゲンには目の潤いを保つ働きがあるのですが、このエストロゲン量が減ることで眼球表面が乾燥しやすくなります。
また加齢に伴い、目の粘膜は弱くなるので、それもドライアイの原因の1つと考えられます。
プラセンタには、ホルモンバランスや自律神経バランスを調整する作用があります。
自律神経の働きを改善することで、涙の分泌量を増やし、ドライアイを改善していきます。
また緊張感が続くと、目は渇きやすくなるので、プラセンタのリラックス効果によって緊張感を緩和し、目の乾燥を防ぎます。
【消化器系系の症状に対するプラセンタの効果・効能とは?】
消化器系系の症状には
・吐き気
・下痢・便秘
・胃もたれ・胸やけ
があります。
それぞれの症状の特徴とプラセンタの作用をまとめてみます。
<吐き気>
更年期による吐き気は、急に気持ち悪くなって、嘔吐してしまう場合もあります。
吐き気の症状には個人差があり、長期間続く場合も。
胃腸の働きは副交感神経が優位な状態、つまりリラックスしている時に活動します。
しかし更年期にエストロゲンが減少して、ホルモンバランス、自律神経の働きが乱れることによって、交感神経が活発化してしまいます。
すると胃腸の不調や吐き気などを引き起こしてしまうのです。
また過度のストレスも関係しているといわれています。
プラセンタには自律神経バランスを調整する働きがあるので、副交感神経を活性化して、胃腸の働きを促進する効果が期待できます。
<下痢・便秘>
更年期には下痢や便秘を繰り返す症状が起こりやすいです。
これは腸の動きをコントロールする自律神経の働きが乱れるために起こります。
更年期にエストロゲンの分泌が低下すると、自律神経の働きも乱れやすくなってしまいます。
また更年期の精神的ストレスや環境の変化も、自律神経のバランスを崩す要因になります。
自律神経がうまく働かなくなると、交感神経が刺激されやすくなり、腸の活動に必要な副交感神経の働きが弱くなってしまいます。
そうすると、腸のぜん動運動がうまくできなくなり、下痢や便秘を引き起こしてしまうのです。
プラセンタには自律神経バランスを整える働きがあるので、副交感神経が刺激され、腸のぜん動運動を活発にする働きがあります。
腸のぜん動運動が活発になれば、腸の働きがスムーズになり、便秘や下痢を繰り返さなくなるでしょう。
<胃もたれ・胸やけ>
更年期の症状として、胃もたれ、胸やけ、胃の痛み、吐き気などを感じることがあります。
食べ過ぎたわけでもないのに胃がもたれたり、夜中に胃がむかむかして目が覚めたりする症状がでます。
胃腸は自律神経に強く影響されている内臓器官になるので、更年期にエストロゲン分泌量が減ると自律神経のバランスが乱れます。
自律神経が乱れてしまうと、胃腸の働きが弱まり胃弱の状態になります。
胃が弱くなると食べ物を消化する力も弱くなってしまうため、胃もたれや胸やけを引き起こしてしまうのです。
プラセンタは神経細胞増殖因子と呼ばれる成長因子を豊富に含んでおり、自律神経バランスを調整する作用があります。
自律神経の働きがスムーズになることで、胃腸の働きも活発になり、消化する力も強くなります。
すると、胃もたれや胸やけを感じにくくなるでしょう。
【運動器官系の症状に対するプラセンタの効果・効能とは?】
運動期間系系の症状には
・肩こり・腰痛
・関節痛
・しびれ
があります。
それぞれの症状の特徴とプラセンタの作用をまとめてみます。
<肩こり・腰痛>
肩回りのコリ、痛み、こわばり、腰の痛みなどが更年期には出やすいです。
肩こりや腰痛に関しては、加齢によるものも多いですが、更年期特有のストレスから症状が悪化する場合が多いです。
更年期になると女性ホルモン分泌が減少するため、筋骨格系の老化が進みやすくなります。
それによって筋肉と骨格バランスが崩れ、肩こりや腰痛を引き起こしやすくなるのです。
また更年期には血流が滞りやすく、血行が悪くなると筋肉に凝りができやすいです。
プラセンタには血行促進効果が期待できるので肩回りの筋肉の血流を改善して、凝りをほぐしてくれます。
またストレスや緊張によって腰痛、肩こりは悪化するので、ストレス解消効果のあるプラセンタを摂取することで、体をリラックスさせてほぐし、緊張をほどくことができるでしょう。
<関節痛>
関節が鳴りやすくなるという初期症状から、肩、手指、膝などの関節痛、こわばり、腫れなどの症状が出ます。
この関節痛は、加齢やエストロゲンの減少によって、関節を支えている筋肉や軟骨が衰えるために起こります。
また関節内の水分減少、血流低下も関節の要因となります。
プラセンタには筋肉や軟骨成分となるタンパク質、アミノ酸が豊富に含まれており、加齢に伴う筋肉の老化をサポートできます。
またプラセンタには血行促進効果もあるので、血流を改善して、関節痛を解消していきます。
<しびれ>
更年期には卵巣機能の衰えによって、女性ホルモンのエストロゲン分泌量が急激に減少します。
女性ホルモンのエストロゲンが不足すると、血流を調節している自律神経が影響を受けることになります。
自律神経のバランスが崩れると、血液の巡りが悪くなり、血流低下を引き起こします。
血の巡りが悪くなると、末端部分まで血液が行き届かなくなり、手足のしびれが症状として現れます。
手足のしびれ、手足の感覚が鈍くなる、皮膚の表面がピリピリ痛むなどの症状があります。
エストロゲンが減少すると、皮膚は薄くなります。そのため薄くなった皮膚はちょっとした刺激にも反応しやすくなり、しびれを感じやすくなってしまうのです。
プラセンタには血行促進効果があるので、血流の低下を改善し、手足の先までしっかりと血液を送るようにしてくれます。
またプラセンタには神経細胞を増殖する成長因子(神経細胞増殖因子)が豊富に含まれており、自律神経バランスを調整する作用もあるので、自律神経の働きがスムーズになります。
自律神経の働きがスムーズになれば、血流調節がうまくいくようになります。
後編では更年期障害へのプラセンタ治療についてまとめてみましょう。