プラセンタの更年期障害への効果・効能・作用 まとめ9 後編

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プラセンタの更年期障害への効果・効能まとめ 前編では、更年期障害の症状別のプラセンタの効果・効能について

・血管運動神経系の症状
・精神神経系の症状
・皮膚・分泌系の症状
・消化器系の症状
・運動器官系の症状

それぞれの症状別にまとめていきました。

 

 

プラセンタは更年期障害がおこる大きな要因となる「自律神経の働き」を調整する作用があります。

更年期の女性ホルモンの急激な減少によって引き起こされた、自律神経バランスの乱れを調整することによって、辛い更年期障害の症状を改善していきます。

後編では、更年期障害へのプラセンタ治療についてまとめてみましょう。

 

 

【プラセンタ療法とは?】

プラセンタ療法は、ホルモン系、自律神経系、免疫系など人間にもともと備わっている機能に働きかけて、自然治癒力を高めていく治療法になります。

人や動物の胎盤(プラセンタ)から抽出されたエキスの有効成分を注射や内服によって体内に取り込むことで治療を行っていきます。

基本的に医療機関で行われるプラセンタ料上は、医療用医薬品として厚生労働省から認可されたヒト由来のプラセンタ製剤が使用されます。

 

プラセンタ療法は特に、更年期障害や慢性肝疾患などの肝機能障害、乳汁分泌不全に効果を発揮します。
この更年期障害と慢性肝疾患の患者さんへの治療に関しては、保険適用されていますので、保険診療が受けられます。

更年期障害の保険適応年齢は45~59歳くらいになります。
このプラセンタ注射薬を定期的に注射することで、更年期障害の症状を緩和していきます。

 

またプラセンタ療法は更年期障害や肝機能障害の治療だけではなく、疲労回復や生理前症候群(PMS)、自己免疫疾患、アレルギー疾患の改善としても行われます。
さらに治療ではなく、アンチエイジング効果や美肌効果のために、美容の観点からプラセンタ注射をうつ女性も非常に多いです。

プラセンタの働きとしては以下のものがあります。

・活性酸素除去作用:体内に発生した活性酸素を除去して、内臓機能、肌の老化を防ぐ。

・強肝・解毒作用:肝臓の働きを強化する。脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎、ウイルス性肝炎に効果的。

・免疫賦活作用:病気に対する抵抗力を高めて、免疫力をアップさせる。

・抗アレルギー作用:花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を抑える。

・妊婦の乳汁分泌促進作用:妊婦の乳汁分泌を促進する。乳汁分泌不全の方に効果あり。

・美肌促進作用:シワ、しみ、たるみ、くすみなど肌老化を改善してくれる。ニキビ改善や美白効果もあり。

・疲労回復作用:疲れやすさを取り除き、疲労回復を促してくれる。

・血行促進作用:造血組織に働きかけて、毛細血管の血流を促していく。

・壊れた組織、細胞の修復作用:炎症を押さえて、壊れてしまった組織を修復するのをサポート。

・内分泌系調整作用:ホルモンバランスを整える。

・新陳代謝の活性化作用:細胞や各器官の働きを活性化させて、老廃物の排出を促す。

・自律神経の正常化作用:自律神経バランスを整えることで、ストレスによるイライラ、肩こり・腰痛、しびれ、冷え性、動悸、めまいなどの症状を改善。

プラセンタ療法は、更年期障害で起こるほてり・のぼせ・うつ症状・不眠・冷え性など様々な症状改善に役立ちます。

 

 

【プラセンタ療法で使用されるプラセンタって?!安全性は大丈夫なの?!】

プラセンタ療法で使用されるプラセンタは、注射剤が多いです。
プラセンタサプリでは、豚、馬、羊などの哺乳動物由来のプラセンタが原料として使用されていますが、医療機関で使用されるプラセンタ製剤はヒト由来のプラセンタ注射薬になります。

医療用医薬品として厚生労働省から認可された医薬品であり、ホルモンなどの生理活性物質やたんぱく質は製造過程において全て除去されているので、副作用が起こりにくいです。
プラセンタ製剤は、薬理作用が合成医薬品のように過剰に作用せずに、本来人間に備わっている生理的機能を正常してくれるので、副作用の心配がほとんどありません。

日本人の胎盤から抽出したヒトプラセンタは医薬品でのみ使用できるプラセンタになります。

薬機法では特定生物由来製品に位置付けられており、医師によるプラセンタ注射の効果・副作用の説明を受けて、理解した上で使用する必要があります。
プラセンタ注射剤にはランエネックとメルスモンがあります。

 

ランエネックは、肝機能障害の治療薬として開発された薬剤であり、プラセンタがもつ基礎代謝促進効果、解毒作用によって肝細胞増殖因子(HGF)が活性化します。
肝細胞の数が増えることで、肝機能が回復するため、肝機能障害治療のみ保険適用となっています。

 

更年期障害へのプラセンタ療法ではもう1つの薬剤「メルスモン」が処方されます。

メルスモンは更年期障害、乳汁分泌不全治療薬として開発。
プラセンタのホルモンなどの内分泌調整作用、自律神経調整作用によって、ほてり、のぼせ、頭痛などの更年期特有の症状を改善していきます。
またストレスなどで乳汁分泌不全になっている場合にもプラセンタの作用によって、乳汁分泌を促進していきます。

メルスモンの保険適用は45から59歳頃の更年期障害、乳汁分泌不全です。
投与方法は、ランエネックは筋肉注射、メルスモンは皮下注射になっているので、痛みはメルスモンの方が少ないでしょう。

 

気になる安全性に関してですが、プラセンタ注射は保険適用が認可されてから45年以上が経過しますが、これまで重大な副作用は報告されていません。

ただ注射剤になるので、痒み、発疹、悪寒、注射部位の痛み、しこり、注射部位付近がだるく感じるなどの副作用が起こる可能性はあります。
プラセンタ注射はタンパクアミノ酸製剤になるので、タンパク質へのアレルギーがある場合は、稀にアレルギー症状が強く出たり、アナフィラキシーショックを起こしたりする場合もあるので、タンパク質アレルギーの方は注意が必要です。

 

基本的には非常に安全性が高く、一般的な薬剤と比べてプラセンタは副作用が少ないといわれています。
人間が本来持っている自己治癒力を促進してくれるのが、プラセンタの魅力なのです。

 

 

【プラセンタ療法の治療方法と費用は?】

プラセンタの注射は開始後1週間から10日は毎日投与、その後週1回のペースで行っていくという場合もあれば、週2~3回の注射をある程度継続して治療するという場合もあります。
注射の頻度に関しては、個人差が大きく、症状によっても異なります。

 

プラセンタ注射は更年期障害に非常に効果的なのですが、効果の発現に必要な時間は人によって違います。
1回の治療で即効性を感じることはほとんどありません。

体調の優れない治療初期は、間を置かずに通院した方が症状の改善は早いです。治療初期に注射の間隔を空けてしまうと、効果を実感できない場合もあります。
そこで最初の2か月ほどは、定期的な注射を続けるとよいでしょう。
ある程度継続して、治療を受けることで体内にプラセンタを長くとどめて、徐々に効果を実感していくでしょう。

 

使用する注射針は細いので、注射に伴う痛みはほとんどありません。
費用に関しては保険適用の場合には、3割負担で初回は1000円程度、2回目以降は500円程度になります。

プラセンタ注射を受けると、献血できなくなるのでその点は確認しておくことをおすすめします。

 

 

【プラセンタ注射とプラセンタサプリの違い、サプリでは意味がないの?】

更年期障害の症状改善に効果が期待できるプラセンタですが、摂取方法にはプラセンタサプリとプラセンタ注射があります。
ここでは注射、サプリそれぞれのメリット、デメリットについてまとめてみましょう。

 

<プラセンタ注射のメリットとデメリット>

プラセンタ注射のメリット
・体になじみやすい
・サプリに比べて即効性がある
・効果を感じやすい
・ヒト由来のプラセンタを投与できる

プラセンタ注射のデメリット
・通院するわずらわしさ
・お金がかかる(コスパが高い)
・痛みを伴う
・献血などができなくなる

プラセンタ注射は保険適用されれば、費用を抑えることができます。

何より医療用医薬品として厚生労働省に認可された薬剤を投与するので、効果が実証されており、安全性も確立されています。

<プラセンタサプリメントのメリットとデメリット>

プラセンタサプリメントのメリット
・手軽に摂取できる
・コストパフォーマンスがよい

プラセンタサプリメントのデメリット
・商品によって品質に違いがある
・効果を実感するまでにある程度の期間がかかる

プラセンタサプリメントは商品によってプラセンタの配合量、有効成分の種類、価格などに違いがあるため、当たり外れがあります。
良質のプラセンタサプリであれば、注射と同等の効果が期待できるサプリメントも多いです。

特におすすめしたいのは、やはりシーププラセンタです。

シーププラセンタは羊由来のプラセンタを配合しています。
シーププラセンタは、豚プラセンタや馬プラセンタと比べて、アミノ酸組成がヒトとよく似ており、吸収率、浸透性が高いといわれています。

そのため体への吸収率も高く、馴染みも良いので他のプラセンタとは一線を画すプラセンタなのです。