納豆に含まれるナットウキナーゼとビタミンKの関係性
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2019年6月12日納豆の成分として有名なのはナットウキナーゼですが、ナットウキナーゼ以外にもたくさんの成分が含まれています。
その1つにポリグルタミン酸があります。納豆のネバネバ成分はこの「ポリグルタミン酸」のものです。
ここではポリグルタミン酸の効果と効能、作用についてまとめてみましょう。
目次
【ポリグルタミン酸とは?】
納豆は納豆菌による発酵によって作られます。
糸を引く納豆の粘質物の主成分は「ポリグルタミン酸」でありPGAと略されることもあります。
納豆の糸引きやネバネバに関係しているポリグルタミン酸は、アミノ酸であるグルタミン酸がγカルボキシル基とαアミノ基で、鎖のように結合した直鎖状のポリペプチドです。
納豆菌は増殖している間はポリグルタミン酸を作りませんが、増殖が止まる定常期に入るとポリグルタミン酸の生成を始めます。
このポリグルタミン酸は非常に分解されにくい性質があり、胃壁を守ったり、腸管で老廃物など体にとって害となる毒素を排出するのを促す作用があります。
つまり腸内環境を整えてくれたり、胃を守ってくれたりと体にとって有益な働きをしてくれるのです。
また納豆に含まれる成分のうち非常に有名なナットウキナーゼと呼ばれる酵素は、ポリグルタミン酸の中に含まれています。
納豆のネバネバはポリグルタミン酸を主成分としていますが、そのほかにも多糖類のフルクタンなどがあります。
【ポリグルタミン酸の効果・効能とは?】
ポリグルタミン酸の効果・効能は以下の通りです。
・デトックス効果
・肌がもつ保湿機能を高める
・ミネラル吸収促進効果
それぞれまとめてみましょう。
<デトックス効果>
ポリグルタミン酸は分解されにくい性質があり、胃酸に負けることなく胃壁を守ることができます。
また腸管においては、老廃物や毒素など、体にとって必要のない老廃物をスムーズに体外へ排出させるデトックス効果が期待できるのです。
老廃物がスムーズに体外へ排出されれば、腸内環境は整いますし、体の調子はよくなるでしょう。
<肌がもつ保湿機能を高める>
ポリグルタミン酸は肌に対する美容効果も期待でいます。
納豆石鹸や納豆ローションなど納豆を原料とした化粧品も数多く登場しており、ポリグルタミン酸の美容効果が注目されているのです。
ポリグルタミン酸は、皮膚表面に膜を作ることで、肌を守ります。
紫外線や暑さ、寒さなどの外的な要因が膜というバリアがあることによって阻害され、肌に負担をかけません。
またポリグルタミン酸には、肌の内側にある細胞を活性化させて、アミノ酸などの天然の保湿因子を増やす働きもあります。
アミノ酸などの天然保湿因子が増えることで、肌には潤いが保たれ、弾力、ハリのある健康的な肌を維持できるでしょう。
肌の弾力が失われ、ハリ、ツヤがなくなってしまうと、乾燥しやすくなり、ニキビなどの肌荒れや、シミ、くすみ、シワ、たるみなどの様々な肌トラブルを引き起こしてしまいます。
保湿効果があり、肌に膜を貼ってくれるポリグルタミン酸はアンチエイジングにも欠かせませんね。
<ミネラル吸収促進効果(骨を強くする)>
日本の伝統食ともいえる納豆のネバネバの主成分となっているポリグルタミン酸は、多数のマイナスイオンを持っていいます。
このマイナスイオンのは働きによって、カルシウムなどのミネラル類の吸収を促進する効果が期待できるのです。
このポリグルタミン酸のミネラル吸収促進効果に基づく発明は、日本、アメリカ、ヨーロッパなどの各国で用途特許を取得済みになっています。
ポリグルタミン酸などの納豆のネバネバ成分は、体内に摂取したカルシウムを腸から吸収しやすくすることも重要です。
【安全性の高いポリグルタミン酸】
ポリグルタミン酸はグルタミン酸を重合単位とするポリペプチドの一種であり、重合度の高いものでは重量比で自重の5000倍もの水分を維持する作用があります。
その高い保水力は、医療、医薬品、健康食品、化粧品など各分野で広く応用されているので高い安全性が期待できるでしょう。
安全性が高いポリグルタミン酸は、抗ガン剤などの医療分野でも応用、利用されている実績があります。
タキソールにポリグルタミン酸を付けたジオタックスは、非小細胞性肺ガン、卵巣ガンに対して、開発認可が進んでおり、日本ではまだ認可されていませんが、アメリカあで認可が下りているものもあります。
さらにポリグルタミン酸は外科手術の際にも癒着防止剤として利用される実績があります。
【納豆はネバネバ成分ポリグルタミン酸と、ビタミンK2のダブル効果で骨が強くなる】
納豆に含まれるビタミンKとネバネバ成分であるポリグルタミン酸にはどちらにも骨を強化する働きがあります。
つまり納豆は骨を強くする有効な食品として牛乳などの乳製品と同じような位置付けになるのです。
納豆のネバネバ成分であるポリグルタミン酸にはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
骨を強くするために牛乳などのカルシウムを豊富に含む乳製品をたくさん摂取しますが、ただ摂取するだけではなく、摂取したカルシウムが体内に効率よく吸収されなければ意味がありません。
ポリグルタミン酸には摂取したカルシウムを腸から吸収しやすくしてくれる働きがあり、カルシウムをたくさん吸収することで骨の強化につながります。
また納豆に豊富に含まれるビタミンKにも骨を強くさせる効果があるのです。
骨の形成には、腸から吸収したカルシウムを骨にくっつける役割をするタンパク質が必要になります。
この骨をくっつける役割をするタンパク質を生成する際に必要になるのが納豆に豊富に含まれているビタミンKなのです。
骨粗しょう症で骨折を繰り返す人は、そうではない人に比べて血中のビタミンK2が少ないことが研究結果でもわかっています。
つまり骨を強くするためにはビタミンKが欠かせません。
<参考記事>