目の2大疾病といえば白内障と緑内障!白内障と緑内障は名前は似ているけど全く別の病気!

50代以降の女性に多い骨粗しょう症ってどんな病気?骨粗しょう症の予防方法、おすすめのサプリはある?
2020年11月14日
自覚症状のない脂質異常症は動脈硬化の原因となる?!脂質異常症はどんな病気なの?
2020年11月22日
50代以降の女性に多い骨粗しょう症ってどんな病気?骨粗しょう症の予防方法、おすすめのサプリはある?
2020年11月14日
自覚症状のない脂質異常症は動脈硬化の原因となる?!脂質異常症はどんな病気なの?
2020年11月22日

目の病気として「白内障」と「緑内障」の2つの疾患は有名ですよね。

1度はその病名を聞いたことがあるという人も多いはず。

 

白内障と緑内障、病名はよく似ていますが、2つは全く違う病気です。

白内障は目が白く濁る病気で、緑内障は症状が悪化すると目が見えなくなる病気…という認識をされている方もいるかもしれません。

ここでは白内障と緑内障の違い、それぞれどのような病気なのか?についてまとめてみましょう。

 

 

【白内障と緑内障は全く違う病気】

 

眼科の代表的な疾患である「白内障」と「緑内障」。

「白」と「緑」という色の文字がどちらの病名に使われていますし、「内障」という同じ名前がついているため、この2つの病気を混同する人が非常に多いです。
しかし実際には、白内障と緑内障は全く違う病気になります。

 

白内障は目の中のレンズである「水晶体」が濁って物がかすんだり、ぼやけたり視力が低下する病気です。

一方、緑内障は眼圧が上がることによって視神経に障害が起こり、視野が欠けたり、狭くなったりする病気のことを言います。

白内障、緑内障は原因も症状も全く違う病気であるため、治療方法も異なります。

その違いをしっかりと認識しておくことが大切です。

 

 

【白内障ってどんな病気なの?原因・症状・治療法を解説!】

 

白内障はその病名通り、眼が白く濁ってしまう病気です。

ここでは白内障について詳しく解説していきましょう。

 

<白内障とは?>

白内障は水晶体を構成するクリスタリンと呼ばれるタンパク質が変性し、水晶体が白く濁ることが原因で起こります。
眼の構造はよくカメラに例えられますが、眼の水晶体はカメラでいうところの「レンズ」です。

レンズが濁った古いカメラで撮影した写真は、ピントがぼけてしまいますよね。
これは不透明なレンズのせいで、光がカメラ内部で拡散してしまい、フィルムに焦点が結ばれないために、ぼやけた写真になってしまうからです。

 

白内障でもこれと同じことが起こっています。
カメラのレンズに相当する水晶体は本来であれば透明ですが、その水晶体に濁りが生じると、フィルムに該当する「網膜」に鮮明な像が描けなくなってしまいます。
そのため視界がかすんだり、ぼやけたりして見えるのです。

濁りの範囲は、症状の進行とともに少しずつ拡大していき、濁りの濃さも進みます。
それに伴って徐々に見づらさがひどくなっていくのです。

 

<白内障の種類>

白内障にはいくつかの種類があります。
それぞれまとめてみましょう。

 

・老人性白内障(加齢性白内障)

加齢が原因でおこる老人性白内障は白内障になる患者さんの約90%以上を占めています。

水晶体は水分とタンパク質で構成されていて、レンズの役割と紫外線カットの働きがあります。

 

長年、紫外線に暴露されることで体内では活性酸素が増加し、水晶体に含まれるタンパク質を変性させてしまうのです。
タンパク質が変性することで水晶体は白く濁り白内障を発症します。

 

老人性白内障は早い人では40代で発症することもあり。
水晶体の周囲から濁り始めて、徐々に中心に向かって濁りが進行するのが一般的です。
発症初期には自覚症状はほとんどなく、診断が遅れる場合があります。

 

・糖尿病性白内障

糖尿病で高血糖値の状態が慢性化するとポリオール代謝が亢進して、白内障を引き起こす場合があります。
糖尿病では高血糖の状態になるため、余分な糖を排出しようとするための代謝であるポリオール代謝が活性化されます。

すると、細胞内のソルビトールとフルクトースの濃度が上昇し、水晶体の中に蓄積してしまうのです。

また糖尿病性白内障では、水晶体の後ろ側にある後嚢の中心から濁り始める特徴があるため、発症初期から視力障害などの症状が現れます。

 

・アトピー性白内障

アトピー性皮膚炎を発症している患者さんの約30%が、白内障を併発しています。

アトピー性皮膚炎で白内障を発症させる原因に関しては明確には解明されていないものの、免疫異常や、かゆくて何度も掻いたり、引っかいたり、こすったりする刺激が、白内障を引き起こしているのでは?と言われています。

 

・先天性白内障

先天性白内障は生まれつき水晶体に濁りがある症状です。

その原因は遺伝的な要因の他、母親が妊娠中に風疹を発症した場合に、胎内で感染したことなどが要因となります。

先天性白内障では症状が急激に進行するケースは少なく、経過観察となることが多いです。
ただ水晶体の濁りが強く、見えにくい場合には、早急に手術を行います。

 

・外傷性白内障

外傷性白内障は、眼のケガが原因で発症する白内障のこと。

力仕事で眼を打ってしまった、野球やテニスなどのスポーツをしている時にボールが眼に当たった、ボクシングで殴られた衝撃で白内障になった‥‥
など様々な症例があります。
強い衝撃を受けたことで白内障を発症するケースは少なくありません。

 

この外傷性白内障では受けた外傷のダメージ程度によって、水晶体を包んでいる水晶体嚢が避けてしまう場合や、水晶体を固定しているチン氏帯が弱くなって水晶体亜脱臼を起こしたりすることもあります。

他の白内障と比べても急速に進行する症例が多いため、早急に手術を必要とします。

 

・併発性白内障

併発性白内障は他の病気に併発して発症する白内障のこと。

白内障を併発する代表的な眼の病気としてはぶどう膜炎、網膜剥離、網膜変性症、緑内障などがあります。

 

・放射線やステロイド服用による白内障

放射線を浴びたり、ステロイド服用をしていたりすると、白内障を引き起こすケースがあります。

発症の原因ははっきりと解明されていないものの、服用しているステロイド剤の容量が多く、服用期間が長くなればなるほど、白内障の発症リスクも高くなるでしょう。

 

また放射線を浴びたことによっても白内障を引き起こすケースがあります。
放射線被曝によって、細胞が突然変異を引き起こし、白内障を起こしてしまうのでは?と考えられています。

ガン患者さんが放射線治療を行った場合、多量の放射線を照射することになるので、水晶体の濁りが急速に進行するケースもあるため注意が必要です。

 

<発症頻度>

白内障の発生頻度は年代によって違います。

早ければ40歳頃から発症し、80歳を超えるとほとんどの人はなんらかの白内障の状態にあると言われています。

 

加齢性の白内障の罹患率を年代別に見ると、

・50代 37~54%
・60代 66~83%
・70代 84~97%
・80代 ほぼ100%

となっており、年齢を重ねるごとに誰もが罹患する可能性がある身近な病気であることがよく分かりますね。

 

国内での白内障の失明率は3%と非常に低く、放置しなければ失明することはまずありません。

しかし世界的に見ると、白内障による失明率は他の眼病に比べてもトップとなっているのです。

医療制度や医療レベルによって白内障の失明率は大きく変化すると言われており、発展途上国では軒並み白内障による失明率が高くなる傾向があります。

 

<原因>

白内障はタンパク質が引き起こす病気です。

水晶体が濁るのは、水晶体の細胞内に存在するタンパク質「クリスタリンタンパク」が異常変質を起こしてしまうため。

クリスタリンタンパクは、本来であれば非常に小さい分子であり、水晶体の働きを邪魔することはありません。

しかしクリスタリンタンパクを構成しているアミノ酸が、様々なストレス要因によって異常なサイズの塊へと成長してしまうのです。
これによって水晶体を通過する光が眼の奥に届かなくなったり、反射してまぶしく感じたりします。

 

クリスタリンタンパクが異常変質を起こしてしまうのは酸化ストレスが原因です。
酸化とは体の様々な器官や組織が活性酸素によって錆びてしまうこと。

酸化ストレスが起こる要因としては加齢、紫外線、眼に対する大きな衝撃などがあります。

 

<症状>

白内障の主な症状は以下の通りです。

・視界が全体的にかすむ
・視界がぼやける
・まぶしいと感じる
・中年期以降に近視がひどくなる(視力低下)
・天候によって見え方が異なる
・暗いときと明るいときで見え方が違う
・街頭などの灯りの周囲に虹がかかったように見える
・月が二重・三重に見える
・黒目が白く濁る
・老眼鏡をかけても細かい文字が読みづらい

白内障の症状は眼精疲労から、眼前にベールがかかったように見える「霧視」、さらには乱視と次第に進行して、最終的には視界が真っ白に染まります。

白内障は進行しても基本的に痛みがなく、初期段階ではあまり自覚症状がないため、気が付きにくい病気と言えるでしょう。

 

<白内障の検査・診断>

白内障の検査は一般的にどのようなことが行われるのでしょうか?まとめてみましょう。

 

・視力検査

白内障が進行すると視力が低下するため、視力検査は必ず行います。

ただ近視、遠視、乱視が元々ある場合は矯正した状態で視力を測らなければ白内障による視力低下かどうかが判別できません。
そこで矯正した状態での視力検査を行います。
矯正視力検査の値が低下してきた場合、白内障などの眼の病気が進行していることが考えられます。

 

・顕微鏡での視診

水晶体の混濁の程度は、直接顕微鏡で観察します。

この検査は「細隙灯顕微鏡検査」と呼び、細いスリット状の光を当てて顕微鏡で拡大して観察します。

 

<白内障の治療方法>

白内障は薬を使用することで進行を遅らせることはできますが、水晶体の濁りを治すことはできません。

そのため白内障の治療は、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術が一般的です。
ここでは治療法についてまとめてみましょう。

 

・点眼薬

進行を抑えるための治療となります。

白内障の診断を受けてすぐに手術を受けるという流れにはならず霞み目や視力低下などで日常生活に影響を及ぼすようになった頃に手術を検討します。
そこまでは点眼薬で白内障の進行を遅らせるのです。

 

白内障の進行を遅らせる点眼薬はピレノキシン製剤とグルタチオン製剤が有名です。
ピレノキシン製剤は水晶体の濁りの原因となるタンパク質の蓄積を抑制し、水晶体の混濁を遅らせる効果が期待できます。

一方、グルタチオン製剤は抗酸化作用があり水晶体の濁りの原因となる不溶性タンパク質の増加を抑える効果があります。

 

・手術

白内障の手術は日本国内で年間100万件~120万件ほど行われていて、眼科手術の中では最も多く行われている手術です。

手術をすればほとんどの場合、視力が回復します。

手術の流れをまとめてみましょう。

1、問題なく手術できるか調べる検査を行う(角膜内皮細胞が減っていないか、視力検査、眼球の長さや角膜のカーブの形状測定)
2、手術日の数日前から抗生物質の点眼薬の投与(眼球表面にいる細菌を減らす目的)
3、角膜と結膜の境目を切開、そこから器具を入れて水晶体の核と皮質を超音波で砕き、吸引する
4、後嚢を残しておいて、そこに眼内レンズを入れる(白内障が進行し水晶体が硬い場合は全摘出)

白内障の手術時間は10~30分ほどであり、点眼か注射での局所麻酔で手術が行われます。
白内障の手術は、日帰り手術も可能。手術日の数日間通院できて、点眼の指示も守れる場合には日帰り手術で対応できるでしょう。

 

・眼内レンズについて

水晶体は網膜にピントを合わせる役割があります。
白内障手術では濁った水晶体を取り除いてしまうので、そのままにするとピントが合わなくなってしまうことに…。

そこで水晶体の中身だけを取り除いて回りのカプセル状の膜を残して、そのカプセル内に眼内レンズを入れて固定するのです。

 

眼内レンズの素材には、硬いものと柔らかいものの2種類があります。
現在よく使われているのは柔らかいアクリル系の素材の眼内レンズで、柔らかい素材のため折りたたんで目の中へ挿入することが可能です。

そのため傷口も1.8㎜~2.8㎜程度と非常に小さくて済み、安全に手術を行えます。

 

また、眼内レンズは機能の面で「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」に分けることができます。

一般的に使用されているのは単焦点眼内レンズで、どの距離にピントを合わせた目にするのか、術前検査で眼内レンズの度数を決定します。

ピントを遠くに合わせた場合には、手元を見る時には老眼鏡が必要となりますし、ピントを近くに合わせた眼内レンズにした場合には遠くを見るときにはメガネが必要となるでしょう。

一般的には、ピントを遠方から2~3mの中間距離に合わせた眼内レンズを挿入して、術後に老眼鏡を使うケースが多いです。

 

一方、多焦点眼内レンズは、メガネをかけずにより快適な生活ができることを目指して開発された眼内レンズのこと。

この多焦点眼内レンズは、遠方、近方の広範囲でピントが合う反面、単焦点眼内レンズと比べるとピントが甘いといったデメリットもあります。

さらに保険診療の対象外となるため、手術費用はすべて自費。
そのため、単焦点眼内レンズの手術に比べてかなり高額になってしまうでしょう。

 

<白内障の予防方法>

白内障は加齢によって起こることがほとんどですが、何か予防方法はあるのでしょうか?
ここでは白内障の予防方法についてまとめてみましょう。

 

・紫外線やブルーライトから目を守る

紫外線やスマホやパソコンから発せられるブルーライトは、老化の原因となる活性酸素を発生させてしまいます。
水晶体には紫外線をカットする役割があるものの、紫外線をすべて防ぐことはできません。

また、インターネットが普及したことによって日常的にスマホやパソコンを使用する時間が増えています。

ブルーライトを浴びることで目には大きな負担がかかってしまうので、気を付けなければなりません。
日頃から外出時にはサングラスや帽子を着用する、ブルーライトカットのサングラスやメガネをかけるようにするなどの予防対策を心がけましょう。

 

・眼部の外傷を避ける

眼の打撲やケガなどで白内障になるリスクは高くなってしまいます。
眼部の外傷を避けるように生活しましょう。

 

・放射線や赤外線の被ばくを避ける

原発事故や原爆などによって白内障のリスクが高まることは分かっています。
また赤外線被ばくも眼にはよくありません。

 

・食生活を改善する

食生活が乱れると、糖尿病、動脈硬化、心臓病、高血圧などの生活習慣病になりやすくなります。

特に糖尿病は、白内障や網膜疾患など眼にも様々な合併症を引き起こしてしまうため注意が必要です。

 

また食生活の乱れは、体を老化させる活性酸素を発生させる原因となるため、白内障予防のためにはバランスの取れた食事をすること、1日3食規則正しい食生活をすることが重要になります。

血中の糖は、タンパク質と結合してそれによって最終糖化産物(AGEs)という物質が生成されます。
このAGEは酸化ストレスを引き起こすと言われており、目の酸化ストレスや糖化ストレスが上昇し、白内障を引き起こしてしまうのです。

炭酸飲料、揚げ物、スナック類、バターなどはAGEを多く含むので、それらの食品はできるだけ控えるようにしましょう。

 

・禁煙する

喫煙は白内障の大きな要因の1つです。
禁煙することで白内障予防につながるでしょう。

 

・抗酸化効果の高い食品を積極的に摂取する

体内に発生する活性酸素は眼の老化を悪化させる要因です。
そこで活性酸素を除去する抗酸化効果に優れた食品を積極的に摂取するのが理想的です。

抗酸化効果の高いビタミンを多く含む野菜や果物は毎日摂取するのがよいでしょう。

 

・適度な運動

体には抗酸化作用が元々ありますが、年齢とともに抗酸化力は低下してしまいます。
そのため、若い頃のように激しい運動をしてしまうと、かえって活性酸素を発生させてしまう原因になってしまうのす。

そこで運動は適度に行うのがおすすめです。
ウォーキングなどは、血流の改善効果が期待できるため白内障予防にも有効です。

血流が改善すると、酸素や栄養の供給がスムーズに行われるようになるため、老廃物が体外へ排出されやすくなります。
眼にはたくさんの毛細血管が存在しているため、血流改善は眼の老化予防に役立つでしょう。

 

 

【緑内障ってどんな病気なの?原因・症状・治療法を解説!】

 

失明の危険性がある緑内障はいったいどんな病気なのでしょうか?
ここでは緑内障の原因、症状、治療法などをまとめてみましょう。

 

<緑内障とは?>

緑内障は目と脳をつないでいる視神経が障害されて、徐々に視野障害が広がり、失明する可能性がある病気です。

人がものを見るためには、目の中に光が入り、目の奥の網膜の上に像を結びます。
その光によって網膜の細胞から発生する電気信号が、網膜神経線維を通って脳へ伝わって、脳で「見えた」と感じることができるのです。

健康な目では、100万本の神経線維が集まって目と脳をつなぐ視神経となっているのですが、緑内障ではこの神経線維の束から徐々に線維が減っていくため、見える範囲=視野が欠けてしまうというわけ。

減った繊維が担当していた部分が見えづらくなってしまうのです。

 

<緑内障の種類>

緑内障には、他の原因のために眼圧があがって発症する続発緑内障、他の原因がない原発緑内障、発達緑内障などがあります。
それぞれまとめてみましょう。

 

・続発緑内障

続発緑内障は他の原因があって眼圧が上がるために発症してしまう緑内障のことです。
眼圧が上がる原因としては、ぶどう膜炎、手術後、ケガ、糖病病、脳疾患、ステロイド点眼薬などの薬の副作用などがあります。

 

・原発緑内障

原発緑内障は、特に他に原因がない緑内障のこと。
この原発緑内障はさらに閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障に分けることができます。

 

*閉塞隅角緑内障

閉塞隅角緑内障では目の中の水(房水)の出口となる隅角が閉塞するために、急激に眼圧が上がります。
この症状は急性緑内障発作と呼ばれており、治療が遅れると短時間で失明することもあるので非常に危険です。

 

*開放隅角緑内障

開放隅角緑内障は、閉塞隅角緑内障よりも症例が多いです。
開放隅角緑内障では、眼圧上昇は軽度で、慢性緑内障であることがほとんど。視野障害の進行も比較的ゆっくりです。

眼圧が正常レベルでも起こる正常眼圧緑内障も、開放隅角緑内障の1つに分類されています。

 

・発達緑内障

発達緑内障は子供の時から眼圧が上がる緑内障のことで、小児の続発緑内障になります。

 

<発症頻度>

緑内障は40歳以上の約20人に1人は罹患するので、決して珍しい病気ではなく、誰でもかかる可能性があります。

ほとんどの場合、症状が進行するまで自覚症状がないため、眼圧や眼底などの検査を受けて初めて緑内障と診断されます。
9割の方は自分が緑内障であると気づいていないと考えられているほどです。

緑内障失われた視力や視野は薬や手術によって回復することはないので、早期発見と適切な治療が必要です。

緑内障は40歳頃から徐々に増えてくる病気なので、40歳を過ぎたら、定期的に眼科検診を受けるようにしましょう。

 

<原因>

緑内障の原因ははっきりとは分かっていません。

なんらかの原因で視神経が障害を受けて、視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりします。

一般的には、目の硬さである「眼圧」が高い状態が続くと、目の奥にある視神経にダメージが加わり緑内障になると言われています。

一般的に眼圧は10~20㎜Hgが正常範囲ですが、20㎜Hgを大きく超える眼圧が続いてしまうと、視神経が障害されやすくなる可能性が高いです。

 

ただ、緑内障患者さんの中には、眼圧が高くないのにも関わらず発症したケースも少なくありません。
そのため眼圧以外にも、緑内障になる原因があると考えられています。

眼圧以外の原因としては

・視神経が元々弱い
・血流が悪い(少ない)
・視神経に毒として働く物質が存在している
・免疫異常

などが考えられていますが、確実な証拠はいまだ発見されていません。

 

緑内障の原因となる「眼圧」とは、目の中の圧力のことで、目の中で一定量の水が作られ、それと同じ量が目から流れ出ていくことで眼圧は一定に保たれているのです。
目の中で作られる水(房水)の量が増えたり、流れ出る量が減ったりしてしまうと眼圧は上がります。

 

逆に房水の量が減って、流れ出る量が増えると眼圧は下がります。
目の中の血流をスムーズにして、目を球形に保つためには、一定以上の眼圧が必要となりますが、眼圧があまりにも高くなりすぎてしまうと視神経が傷む危険性が出てくるでしょう。

 

また、緑内障になりやすい人の危険因子としては、

・眼圧が高い
・高齢者
・両親や兄弟など血縁者に緑内障の人がいる
・近視がある
・片頭痛持ちである

などがあります。

 

<症状>

緑内障の自覚症状は、暗点の出現、視野が狭くなるなどが一般的です。
ただ開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障では症状が多少異なります。
それぞれまとめてみましょう。

 

・開放隅角緑内障の症状

開放隅角緑内障では病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどなし。
眼圧に関しても、正常眼圧緑内障が多く、20㎜Hgを少し超える程度の軽度の眼圧上昇では、特に異常を自覚しにくいです。

初期には目の疲れ、肩こりなどが現れることもあり、症状が進行すると物が見えづらくなる、視野が欠損するなどの症状が起こります。

 

・閉塞隅角緑内障の症状

緑内障発作を起こす前は、通常眼圧はほぼ正常範囲なので、自覚症状はなし。
しかし急性発作が起こると、眼圧が40~60㎜Hgと急激に上昇するため、見え方の異常、強い頭痛や吐き気、眼球の激しい痛みや充血、視力の低下、目のかすみなどが起こります。

 

<緑内障の検査・診断>

緑内障の診断のためには

・眼圧検査(眼球内の眼圧を調べる検査)
・眼底検査(眼球の奥にある網膜の状態を調べる検査)
・視野検査

の3つが必要となります。

正常眼圧緑内障では、眼圧が高くないのですが、緑内障の種類を確定するためにも眼圧検査は欠かせません。
また緑内障の診断は、眼底検査で視神経が減った場所があり、それに一致して視野の異常が見られた場合に、緑内障と診断されます。

視神経の検査と視野の検査について詳しくまとめてみましょう。

 

・視神経の検査

緑内障になると目と脳をつなぐ視神経が徐々に減少します。
視神経が減ると、目の奥にある視神経乳頭の中心部の凹みが大きくなるので、眼底検査を行うことで緑内障かどうかを診断できます。

また最近では、目の奥の網膜や視神経乳頭断面を見ることができる三次元画像解析装置を用いることで、視神経乳頭のごくわずかな凹みも発見できるようになってきました。
そのため、初期の緑内障でも診断が可能です。

 

・視野の検査

緑内障が進行すると、視野の中に見えづらい部分が少しずつ広がります。
ただ見えづらい部分が大きくなるまでは、本人の自覚症状がない場合がほとんど。
そのため、緑内障が疑われた際には、専用の視野検査装置を使った検査を受けることになります。

また緑内障の種類を決めるために、隅角検査(目の上に特殊なレンズをのせて隅角を観察する)や、細隙灯顕微鏡検査(角膜、結膜など目の前の部分を観察する)なども重要な検査方法となります。

 

<緑内障の治療方法>

緑内障によって失われた視野、視力は治療をしても回復することはありません。
そのため、緑内障治療は完治を目指すものではなく、あくまでも進行を緩やかにするためのものとなります。

緑内障の治療法は、緑内障の種類によって異なるのでそれぞれまとめてみましょう。

 

・開放隅角緑内障の治療方法

眼圧を下げることにより、視神経が減りにくくなり視野が保たれやすくなるので、点眼薬によって眼圧を下げるようにします。
眼圧は正常範囲(10~20㎜Hg)に保つというよりも、患者さんの何も治療しない時の眼圧から治療によってどの程度下げられるか?
が重要なポイントとなります。

点眼薬でも眼圧が下がらない場合には、レーザー治療や手術が行われるでしょう。

 

*点眼薬

眼圧を下げる点眼薬には、プロスタグランジン関連、β受容体遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、α2受容体刺激薬などたくさん種類があり、患者さんによって作用が異なります。
まずはプロスタグランジン関連薬など1種類の点眼薬からスタートして、眼圧を下げる効果、副作用を見ながら、点眼薬を適宜追加したり変更したりします。

 

*レーザー治療、手術

様々な点眼薬を使用しても十分に眼圧が下がらない場合や、眼圧が下がっていても視野障害が進行してしまう場合には、眼圧をさらに下げなければいけません。

そこで隅角光凝固術と呼ばれるレーザー治療や手術が行われます。
手術では、房水の流れ出る繊維柱帯を開く「繊維柱帯切開術」や、別の房水の出口を作ってあげる「繊維柱帯切除術」などが行われます。

これらの手術では眼圧を下げる効果が大きいものの、合併症のリスクも高くなるので注意しなければなりません。

 

・閉塞隅角緑内障の治療方法

閉塞隅角緑内障では、急激に眼圧が上がる急性発作を予防しなければなりません。

*レーザー虹彩切開術

急性発作を予防するために、黒目の中の虹彩にレーザーで小さい穴を開けて隅角が閉塞しにくくします。

 

*白内障手術

閉塞隅角緑内障には白内障手術も有効です。
白内障手術では、もとの水晶体を厚みが薄い眼内レンズに交換するので、隅角が開き、急性発作が起きなくなります。

レーザー治療、白内障手術はどちらも合併症のリスクがあるため、担当医とよく相談して治療法を決定する必要があるでしょう。

 

<緑内障の予防方法>

眼圧が上がることによって起こる緑内障ですが、緑内障になる原因はよく分かっていません。
予防方法としても、特に普段の生活で気を付けることはなく、あまり神経質にならずに心身ともにゆとりのある生活を心がけるようにしましょう。

ここでは緑内障にならないようにするための予防策をまとめてみます。

 

・規則正しい生活をおくる

十分な睡眠をとって、ストレスをため込まないように、リラックスした生活を心がけます。

 

・バランスの取れた食事

偏りのない栄養バランスの取れた食事を1日3食とるようにしましょう。
また飲酒も適量であれば問題ありません。

 

・禁煙する

喫煙は視神経の血液循環を悪くするという報告があるため、できるだけ控えるようにしましょう。

 

・適度な運動

適度な運動を心がけて、血流の改善を促しましょう。

 

・急激な水分摂取をしない

運動をして汗をかくと一時的に脱水状態となり、眼圧が低下します。
反対に、急激に多量の水分を摂取すると眼圧は上昇してしまうので、急激な水分摂取は控えるようにしましょう。

 

・定期検診を受ける

緑内障は定期的な検査を受けておくことで、早期発見・早期治療につながります。
また、緑内障になった場合でも定期的に検査を受けることで、点眼薬の効果と緑内障の進行具合をしっかりと確認できます。
検査は必ず定期的に受けるようにしましょう。

 

 

【白内障や緑内障予防に効果のある成分とは?】

 

白内障や緑内障など目の病気予防におすすめの成分はどんなものがあるでしょうか?

ここでは目の健康維持におすすめの成分についてまとめてみましょう。

 

<ルテイン>

ルテインとはカロテノイドという黄色をした天然色素の一種。
高い抗酸化作用だけではなく、有害な光を遮る作用もあります。

ルテインは水晶体、黄斑部に多く存在する成分であり、黄斑部にはルテイン以外にもゼアキサンチンと呼ばれるカロテノイドも存在しています。
このゼアキサンチンはルテインが体内の代謝によって生成されたもので、高い抗酸化作用が期待できるでしょう。

 

ルテインやゼアキサンチンは40歳を過ぎたあたりから減少し始めるため、白内障はこのルテインやゼアキサンチンの減少に関係していると言われています。

また、目を酸化ストレスから守ることで緑内障予防や進行抑制にもつながりますよ。

 

さらに黄色い色素であるルテインは、補色である青色の光を吸収する働きがあるため、パソコンやスマホから発せられるブルーライトから目の機能を守る働きも期待できます。

ルテインは体内で生成することができないため、緑黄色野菜などから摂取するようにしましょう。

またルテインを含んだサプリメントなどをうまく活用するのもよいですね。

ルテインを多く含む野菜:ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、トウモロコシ、小松菜、ニンジン、レタス、パセリなど
ゼアキサンチンを多く含む野菜:クコの実、ほうれん草、パプリカ、ブロッコリー、パパイヤ、マンゴーなど

 

<アスタキサンチン>

アスタキサンチンはカロテノイド色素の一種で、カニやエビ、鮭などの魚介類に含まれる赤色の天然色素成分です。

このアスタキサンチンには眼精疲労を和らげる作用や、目のピント調節機能を改善する作用が期待できます。

緑内障の原因となる眼圧上昇は、眼精疲労などによって目の血流が悪くなることも要因の1つと言われています。
そこでアスタキサンチンを十分に摂取することで、緑内障予防や信仰抑制につながるでしょう。

 

<アントシアニン>

アントシアニンはポリフェノールの一種で、目によい成分の代名詞とも言われています。

強い抗酸化作用を持っており、ブルーベリーなどの果実や紫色の食材に多く含有。

アントシアニンは強力な抗酸化作用の他に、血流を改善する作用もあります。

そのため、目の細胞や視神経を保護して緑内障の進行抑制や、白内障予防にも効果を発揮してくれますよ。

 

さらにアントシアニンは、光の刺激を脳に伝えるロドプシンという成分の代謝にも深く関与。
アントシアニンが不足するとロドプシンが減少するため、視力低下などの目のトラブルを引き起こしてしまうでしょう。

 

<ビタミンA>

ビタミンAは、光の刺激を脳に伝えるロドプシンを生成する原材料となります。

ビタミンAは食材から摂取することができますが、不足すると眼精疲労になりやすく、緑内障の発症や進行にも関与してしまいます。

またビタミンA不足が続くと、暗い場所で物が見えにくくなる夜盲症を引き起こすケースもあるでしょう。

さらにビタミンAは抗酸化作用もあるため、眼病予防には積極的に摂取したいビタミンの1つです。

 

<ビタミンB>

ビタミンB群の中でも、特にビタミンB1、B2、B6は目の健康におすすめの栄養素です。

ビタミンB1とB2は網膜や視神経の働きを高め、眼精疲労の緩和に有効なので、緑内障予防が期待できます。
またビタミンB6は、目の組織を作る際に必要となるタンパク質合成に関わる成分なので、目の健康維持には欠かせません。

 

<ビタミンC>

ビタミンCは強力な抗酸化作用があることで知られていますね。
紫外線による酸化ストレスから目を保護し、活性酸素を除去。
白内障や緑内障の予防、進行抑制に効果が期待できるでしょう。

 

<コリン>

コリンはタンパク質を構成しているアミノ酸の1種。
体内で副交感神経を優位にする働きがあり、血管を拡張し、血流をよくすることで、房水の排出を促してくれます。

 

<コンキオリン>

視神経の強化・補修に必須の成分。あわびの貝殻などに含まれる成分で、抗酸化作用も強いです。

 

<タウリン>

目に直接働きかけるわけではなく、肝臓を元気にすることで血行を促進し、眼圧を下げます。

 

<亜鉛>

亜鉛はタンパク質の合成に欠かせないミネラル類であり、網膜の黄斑という部分が正常に機能するために必須となる成分です。

亜鉛不足になると、黄斑部がダメージをうけ、加齢黄斑変性症、緑内障などの目の病気にかかりやすくなるでしょう。

 

<DHA、EPA>

DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸で、網膜の脂肪酸の約40%はDHAが占めています。

DHAを摂取することで視力向上につながることが分かっています。

またアメリカの研究結果では、DHAの摂取量が多い人は、緑内障リスクが低いと報告されているので、緑内障予防も期待できるでしょう。

 

 

【目の病気を予防するのにおすすめのサプリとは?】

 

当店で取り扱うサプリメントの中で、白内障や緑内障など目の病気を予防するのにおすすめのサプリをまとめてみましょう。

 

<ヘルスライフ グレープシード>

グレープシードサプリは、赤ワインの約100~300倍ものポリフェノールを含有しており、強力な抗酸化作用が期待できます。

この抗酸化作用は白内障や緑内障などの予防に効果が期待できるでしょう。

 

 

<ヘルスライフ ビルベリー>

ビルベリーにはブルーベリーの約2~5倍ものアントシアニンが含まれています。

ヘルスライフ社のビルベリーサプリには、1粒にビルベリーを5,000㎎も配合。さらに亜鉛も含まれており、目の健康に欠かせない成分をたくさん摂取できます。

強力な抗酸化作用で白内障予防に役立ち、視神経や目の細胞を保護することで緑内障予防にも有効です。

 

 

<ヘルスライフ サメ肝油>

サメ肝油にはDHAやEPAなどオメガ3系の脂肪酸が含まれているため、緑内障予防におすすめです。

 

 

<ヘルスライフ アトランティックフィッシュオイル>

アトランティックフィッシュオイルには、DHA、EPAが豊富に含まれているため、視力向上や緑内障予防におすすめです。

 

 

<ヘルスライフ コエンザイムQ10>

コエンザイムQ10は白内障に特徴的な水晶体タンパク質の不溶化を抑制する作用があると言われています。
そのため、白内障予防に有効なサプリと言えるでしょう。

 

 

<ブラックモアズ ルテイン ビジョンアドバンスド>

ルテインやゼアキサンチンのほか、セレンやオメガ3 (DHA、EPA)など、目に良いと言われる成分を網羅して配合しているサプリメントです。

日頃の目の疲れのほかにも白内障、緑内障予防にも役立つ眼のための万能サプリと言えるでしょう。

 

 

 

【まとめ】

 

目の疾病でよく起こる代表的なものと言えば、白内障と緑内障でしょう。

白内障と緑内障は病名が似ているものの、全く別の病気で、原因も異なります。

 

白内障は手術をすることで完治しますが、緑内障は進行を抑えるしか方法はなく、症状が進行すると失明する危険性もあります。

どちらも加齢とともに起こりやすくなるため、40歳を過ぎたら定期的に眼科で検査をしてもらうようにしましょう。

また日頃から目によい栄養素などを積極的に摂取することで、目の健康維持に役立つでしょう。

サプリなどをうまく活用すると無理なく続けられますよ。