美腸の新常識は“シンバイオティクス”。その効果と医療現場での応用事例を解説します!

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前回は“リーキーガット症候群の診断方法と治療方法”についてご説明しました。

リスク度合いや簡易的な自己診断であれば簡単に実践できます。
気になる症状が続くのであれば、医療機関で遅延型フードアレルギー検査を受けてみるのも良いかもしれませんね。

 

 

リーキーガット症候群の治療において重視されているのが、食生活と腸内環境の改善です。

アレルゲンとなる食品を避けることはもちろん、良好な腸内フローラを育てるために善玉菌を増やすことが大切となります。

そして、美腸づくりをより効率的に進めるためのキーワードが今回ご紹介する「シンバイオティクス」なのです!

 

シンバイオティクスこそ正しい腸活の方法!定義をおさらいしてみよう

新たに注目されている栄養療法であるシンバイオティクス。
より効果的に腸内環境を改善できることから腸活の方法として推奨されています。

皆さんはその理由についてご存知ですか?

まずはそれぞれの定義についてご説明していきましょう!

 

善玉菌を腸に届けるのがプロバイオティクス

プロバイオティクスはシンバイオティクスやプレバイオティクスよりも先に生まれた言葉です。
Probiosisと表記し、「共に生きる」が語源とされています。

 

1989年、イギリスの微生物学者・フラー博士によって提唱されたのが歴史の始まり。
フラー博士によって「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義されました。

現在、プロバイオティクスの定義は多様化している傾向にありますが、いずれにしてもからだに有益であるという点に相違はありません。

 

一般的には、フラー博士の定義に則り乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌そのものを指していることが多いです。
しかしながら、善玉菌を“摂取すること”を指す場合もあります。

また、死んだ菌にも腸内環境を整える作用があることが知られています。
そのため、プロバイオティクスに含まれるのは生きた菌に限らないとする考え方もあるのです。

 

善玉菌を育てるのがプレバイオティクス

1995年にイギリスの微生物学者・ギブソン博士によって提唱されたのがプレバイオティクスの始まりです。
prebioticsと表記し、preは事前にという意味を、bioticsは生命という意味を持ちます。

 

「腸内の特定の細菌の活性を変化させることで、宿主の健康を改善する難消化性の食品成分」と定義されています。
オリゴ糖や不溶性食物繊維、水溶性食物繊維が代表的な成分です。

プレバイオティクスは食品成分そのものを指す場合もあれば“善玉菌を増殖させること”を指す場合もあります。

 

相乗効果を狙うのがシンバイオティクス

プレバイオティクスと時を同じくして提唱されたのが、ギブソン博士によるシンバイオティクスです。
英語でSynbiotisと表記し、Synは「同時に」を意味しています。

 

一言でいえばプロバイオティクスとプレバイオティクスの二つを用いること。
善玉菌そのものと同時に、それを増やす成分も摂取することで相乗効果が期待できます。

 

プロバイオティクスと対立関係にあるのが「アンチバイオティクス」です。

抗生物質や抗菌剤を指します。
これらは有害菌を雑菌する効果がある反面、有益菌をも殺してしまうという弱点が問題視されてきました。
そんな弱点をカバーできるシンバイオティクスは、実際に医療の現場でも応用されているのです。

 

今後ますます注目されるシンバイオティクス!実際の医療現場での応用事例とは?

これまで、プロバイオティクスやプレバイオティクスがさまざまな病気の予防、改善に効果的であることをご説明してきました。

しかし、それぞれがもつ本来の効果を最大限に発揮するには、シンバイオティクスが必要なのではないかという考え方が広まりつつあります。

ここでは、シンバイオティクスの具体的な効果や療法の実績をご紹介していきましょう!

 

シンバイオティクスは全身の健康に繋がる

腸の健康は全身に繋がるといわれていることから、シンバイオティクスはあるいみ究極の健康療法と言えるかもしれません。
さまざまな研究や試験から、多くの効果が期待できることが分かっています。

・腸内環境を整える
・便秘を解消する
・花粉症やアレルギーの症状を緩和する
・免疫機能を向上させる
・血中のコレステロール値を抑制する
・血圧や血糖値を低下させる
・がんや生活習慣病を予防する
・骨粗しょう症を予防する
・細菌への感染を予防する

 

胆道癌の術後合併症防止効果

シンバイオティクス療法の具体的な実績の一つに、胆道癌の術後合併症防止が挙げられます。

胆道癌は胆管や胆のう、十二指腸乳頭部にできるがんのことを指し、術後に合併症を起こしやすいがんとして知られています。
合併症の原因の一つに腸内フローラの乱れがあるとされており、薬物療法に依存することの問題点が指摘されてきました。

 

そこでシンバイオティクスによる臨床試験が行われたのです。
その結果、投与により合併症の発症率が大幅に下がったことが認められました。

これは、術後の肝再生率が高まる、炎症反応を軽減する、腸内環境が改善される効果によるものと考えられています。

 

短腸症候群の栄養状態を改善

腸管の機能が低下し、栄養や水分、ビタミンなどの吸収に障害が起きる病気を短腸症候群といいます。
現在、完全治癒に有効なのは外科的な治療法である小腸移植手術のみとされています。

しかし、内科的な治療法としてシンバイオティクスの検討が進められているのです。
ある大学と病院が共同で行った研究によれば、短腸症候群の患者にシンバイオティクスを投与したところ、このような結果が出ました。

 

・腸内フローラのバランスが整った
・栄養状態が改善した
・短鎖脂肪酸の生成量が増加した
・炭水化物の発酵が促進された

 

治療への効果についての明確性に乏しいため、今後さらなる研究実験が繰り返されるのではないでしょうか。

このように、シンバイオティクスは重大な病気の治療法としては発展途上にあります。
とはいえ、健康維持に役立つことは明らかです。
汚腸を美腸に変えていくために、シンバイオティクスを意識した食生活を実践していきましょう!

 

 

<参考商品>

プロバイオティクス(乳児用)

 

プロバイオティクス(子供用)

 

プロバイオティクス(女性用)