ビオチン(ビタミンB7)の効果と効能、作用について
2018年11月14日動物性タンパク質の効果と効能、作用について その1
2018年11月14日カルシウムは「ミネラル」の一つで、ラテン語の「calx」、つまり石や砂利という意味に由来します。
このカルシウムは骨や歯を作る物質で、カルシウムのほぼ全てがこの骨と歯に集約されています。
また、カルシウムは、止血作用や、ストレス耐性といった作用も持っており、生命維持には重要な栄養素となっているのです。
最近では、このカルシウムは成長に必要な栄養素として認知度が高まっているため不足している人が少ないですが、カルシウム不足になると以下のような症状が現れます。
・骨粗鬆症(骨のカルシウム分が不足するため)
・成長しにくくなる(骨の形成が弱くなるため)
一方で、カルシウムを摂り過ぎることによって高カルシウム血症になることへの注意が必要です。
また、泌尿器系結石を起こす可能性もあるため、その点も注意が必要になります。
こうしたことを防ぐために1日に700mgを目安として摂取することが薦められています。
そうすることによって、骨粗鬆症の予防といった効能を得ることができ、また他には以下のような効能を得られるのです。
・高血圧や動脈硬化の予防(カルシウムの溶け出しを防ぐため)
・イライラの解消(精神安定作用があるため)
このカルシウムが多く含まれる食品は、牛乳をはじめ、小魚や海草などの魚介類、大豆製品、緑黄色野菜などに多く含まれます。
これらを効率良く摂取するポイントは「ビタミンD」と「マグネシウム」と一緒に摂ることです。
これによって体内にカルシウムをうまく取り入れることが出来るようになるのです。
そのためカルシウムを十分に摂り、マグネシウムを合わせることで吸収率が上昇するので、意識的にマグネシウムと共に摂取していきましょう。
カルシウムを効率よく摂取するなら!
では、そのカルシウムをさらに詳しくみてみましょう。
目次
【カルシウムとは?】
カルシウムは私達にとって聞きなれた栄養素の1つではないでしょうか?
カルシウムは骨や歯を作るために欠かせないミネラル類の1つです。
体重の1〜2%の重さで体内に存在しており、体重50キロの成人であれば約1キロのカルシウムが体内に存在していることになります。
カルシウムは生体に最も多く存在するカルシウムであり、その99%はリン酸と結合したリン酸カルシウムとして骨や歯などの硬組織に存在しています。
残りの1%は筋肉、血液、神経などの軟組織に塩やイオンの形で存在しています。
私達がカルシウムのことをよく知っているのは、カルシウムが骨や歯の材料となるからです。
骨や歯を丈夫にするためにカルシウムを積極的に取るように心がけている人も多いでしょう。
カルシウムの働きは骨や歯を生成するだけではありません。
カルシウムは全ての生命活動において中心的な役割を果たしているミネラル成分であり、私達が健康に生きていくためには欠かせない成分なのです。
骨に貯蔵されているカルシウムですが、食物などからカルシウムを摂取しない場合でも、骨を溶かして体のカルシウム濃度を保とうとするシステムができています。
カルシウムは細胞内:細胞外=1:10000の割合で存在しています。
この1:10000の割合がきちんと保たれていることによって神経伝達物質やホルモンが十分に分泌され、筋肉がしっかりと動き、体の反応がスムーズになります。
カルシウムは体の様々な反応の引き金になっているのです。
【カルシウムの吸収について】
食品から摂取されたカルシウムは胃酸などによって溶かされてから、その大部分は小腸によって吸収されます。
小腸上部の吸収には活性型ビタミンD3が必要であり、D3があることでカルシウムの吸収がうまくいきます。
体内に吸収されたカルシウムは骨に蓄えられていざという時に使われます。
ただカルシウムの吸収率は成人では20〜30%とあまり高くはありません。
カルシウムを吸収する時に、小腸下部にリン酸があるとカルシウムとリン酸がくっついてしまい、うまく体内に吸収されなくなってしまいます。
カルシウムに吸収に不可欠な因子としては
・活性型ビタミンD3
・マグネシウム
・胃酸
があります。
これらの成分はカルシウムを吸収するのに欠かせません。
またカルシウムの吸収を促進する因子としては
・CPP(カゼインホスホペプタイド)
・乳糖
があります。これらの成分があることで、カルシウムの吸収は促進されます。
逆にカルシウム吸収を阻害してしまう因子としては
・リン酸
・シュウ酸
・フィチン酸
・食物繊維
などがあります。
これらの成分があると、カルシウムの吸収は阻害してしまい、吸収率は低下します。
骨はカルシウムの貯蔵庫と言われており、骨は体の他の部分と同じく、少しずつ形成と吸収を繰り替えしています。
食べたカルシウムは小腸から吸収されて血中に入り、すぐに使う分だけを残して、残りはすべて骨に蓄えられます。
血中にもカルシウムは一定の量必要になるので、血中カルシウムが不足した時には、骨を自ら壊して骨の吸収を行います。
骨は体を支えている大切な部位であると同時に、カルシウムの不足時に備えて、常にカルシウムを出し入れできるようにしてある貯蔵庫なのです。
【カルシウムの効果・効能とは?】
カルシウムには、骨カルシウム、血清カルシウム、細胞内カルシウムがあり、それぞれ効果・効能が異なります。
まとめてみましょう。
<骨カルシウムの効果・効能>
・骨や歯の形成
人の骨格となる骨や歯を形成して、運動の支柱となります。
・血清カルシウム濃度を維持するための貯蔵庫として働く
骨に貯蔵されたカルシウムは、血清カルシウム濃度が低下した時に、骨を溶かすことによって血清カルシウム濃度を保つ働きがあります。
<血清カルシウムの効果・効能>
・神経や筋肉の興奮性の調節
神経の働きや筋肉運動を調節する働きがあります。神経の興奮を抑制する作用があります。
神経興奮の抑制作用から、カルシウムは精神を安定させる効果があるといわれています。
興奮したり、落ち着きがなかったりする不安定な状態を抑制してくれます。
イライラした時にカルシウムを摂取した方がよいというのはこの効果があるからなのです。
視覚や聴覚から得られた大量の情報は、脳のニューロンを通って神経伝達物質として、神経細胞間に伝わっていきます。
カルシウムが不足してしまうと、神経伝達物質がうまく伝わらなくなるので、精神の興奮状態が続き、落ち着きを失ってしまうのです。
心穏やかに過ごしたい時には、カルシウムを積極的に摂取するようにしたいですね。
・血液凝固因子の活性化
出血を止める時に必要となる血液牛子因子を活性化させる働きがあります。
・骨石灰化の促進
骨の石灰化を促進します。
<細胞内カルシウムの効果・効能>
・分泌の合図を送る
ホルモンや神経伝達物質、サイトカイン、消化酵素などの分泌時の合図となります。
細胞内カルシウムは体の中で重要な情報を伝える役目となるセカンドメッセンジャーとして働いているのです。
・筋肉の収縮
筋肉の収縮時に必要になります。血圧上昇の防止にも効果敵です。
・細胞増殖、細胞分化、細胞形態の維持
細胞の分化、増殖を促進し、細胞形態の維持を図り、細胞の機能調節を行ってくれます。
・酵素活性の調節
細胞内のカルシウムは酵素を活性化させたり、不活性化させたりと酵素の働きを調節する作用があります。
【カルシウム不足になるとどうなる?!】
カルシウムが不足すると様々な体の不調が起こることが考えらえます。
その1つに「太りやすくなる」という症状があります。
血液中に含まれるカルシウム濃度が低くなると、脂肪の中にあるカルシウムを使って、血液中カルシウムの濃度を高めようとします。
脂肪に蓄えられたカルシウムが使われると、脂肪を合成させる酵素が出てしまうため、体内で脂肪が増えてしまい太いやすい体質になってしまうのです。
血液中のカルシウム濃度が低い場合、同じ運動をしても脂肪は燃焼されにくいという研究結果もあることから、ダイエットにはカルシウムは欠かせない栄養素と言えるでしょう。
またカルシウムは基礎代謝を高めて、体温をあげる働きもあるので、カルシウム不足になると基礎代謝が低下し、太りやすい体質になってしまいます。
基礎代謝を高めて脂肪を燃焼させたい!という方はカルシウムを積極的に摂取したいですね。
その他にもカルシウムが不足すると様々な病気に掛かりやすくなります。
よく知られているのが骨粗しょう症です。
骨粗しょう症はカルシウムが骨から出続けることによって、骨がカスカスの状態になってしまう病気です。
骨がカスカスになることで、すぐに骨折してしまうので、非常に大変です。
またカルシウムが血管に溜まれば、動脈硬化や高血圧、アルツハイマーの原因にもなってしまいます。
カルシウム不足で起こる病気には
・小児のくる病
・骨粗しょう症
・心疾患
・高血圧症
・動脈硬化
・妊娠高血圧症候
・認知障害
・免疫異常
・糖尿病
・肥満
・軟骨変性、変形性関節炎
などがあります。
【カルシウムが多く含まれる食品とは?】
カルシウムが多く含まれる食品として思い浮かべるのは牛乳などの乳製品でしょう。
カルシウムが多く含まれる食品には
・牛乳
・小魚
・海藻
・大豆や大豆製品
・緑黄色野菜
などがあります。
カルシウムの1日摂取目安量は700〜800mgと言われています。
牛乳コップ1杯(200ml)には約220mgのカルシウムが含まれているので、1日摂取目安の1/3を摂取できることになります。
ただ現代の日本人は慢性的なカルシウム不足になっており、1日のカルシウム摂取量の平均は500mg程度となっています。
生活習慣病予防のためにもカルシウムは積極的に摂取したいですね。
特に身長が伸びたり、骨が育つ成長期だったり、赤ちゃんが発育する妊娠期、授乳期の方はカルシウムが不足しないように意識的に摂取するようにしましょう。
長い間カルシウム不足の状態が続くと、骨の吸収が骨形成を上回ってしまうため、高齢になってから骨粗しょう症になるリスクが高まります。
骨粗しょう症予防をするには若いうちから健康的な丈夫な骨を作っておくことが大切です。
適度な運動を心がけ、栄養バランスを考慮した食事を摂取するようにしましょう。
カルシウムを効率よく摂取するなら!