便秘には6種類もあるって知っている?タイプ別の原因や特徴をまとめてみました!

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前回は冬になると気分が落ち込む「冬季うつ病」についてご説明させていただきました。

 

 

冬季うつは冬にだけ発症する季節性気分障害の一種。

日照時間によるセロトニン、メラトニンの分泌が影響していることをお伝えしました。
気分の落ち込みのほかにも、倦怠感や疲労感、イライラ、胃腸の症状が現れることがあります。

 

中でも女性に多くみられるのが便秘です。冬季うつによるものとは限らないのが厄介で、原因が違えば解消法も違います。
便秘のほとんどは腸内環境を整えれば改善しますが、それ以外の治療が必要なケースも。

今回は便秘をタイプ別に分け、それぞれの原因や症状の特徴などをまとめていきます!

 

便秘の多くを占める機能性便秘と器質性便秘!その原因と症状とは?

「便秘」と一言でいっても、実はその種類は1つではないんです。
ご自身の便秘がどのタイプに分類されるのか、まずは原因やメカニズムを知ることから始めましょう!

ここでは、便秘の方のほとんどが当てはまるという機能性便秘と器質性便秘についてご説明します。

 

腸の蠕動運動が鈍ると起こる機能性便秘

便秘は原因別で6種類に細分化することができます。
中でも一般的に便秘の原因として知られているのが「機能性便秘」です。

機能性便秘は小腸や大腸、胃などの消化器官の機能に異常が生じることで起こります。
生活習慣の乱れやストレス、加齢などが主な原因ですが、さらに3つに分類されます。

 

 

 

〇急性便秘
一時的に便秘になっている状態です。
食物繊維が不足している、あるいは肉類を摂りすぎたときなどにみられます。
また、適切な水分補給がなされなかった場合に便が水分不足を起こした場合や、ライフイベントや旅行など環境の変化なども原因として挙げられます。

 

〇慢性便秘
慢性的に便秘が続いている状態です。大腸内に便が滞ることで排便が起こらない日が数日にわたります。

慢性便秘はさらに3つに細分化されており、それぞれ原因が異なります。

 

一つめは大腸の蠕動運動の弱化や筋力の低下で生じる弛緩性便秘です。
運動不足の人、高齢者、出産回数の多い女性などに多いといわれています。

二つめはストレスによる自律神経の乱れが原因の痙攣性便秘です。
便の通り道である下行結腸が痙攣し、便が通り抜けるまでに時間がかかることで起こるため、排便があっても便の量が少なかったり、ウサギのフンのような形状だったりします。

三つめは直腸性便秘といって、便意を我慢し過ぎることで起こる便秘です。
便が直腸(肛門の手前)まで運ばれているにもかかわらず、腸の感覚が鈍くなっていることで便意を感じないことが原因と考えられます。

 

 

 

仕事が忙しい方に多い直腸性便秘ですが、実は子どもに多いタイプでもあります。
というのも、学校における排便の実態調査によると、小学生の2人に1人は学校でうんちをしないという回答結果が出たのです。
(参考文献:NPO法人日本トイレ研究所
https://www.toilet.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/activities03.pdf)

 

腸の病変が原因で起こる器質性便秘

機能性便秘と全く性質が異なる便秘が、腸そのものの病変が原因で起こる器質性便秘です。

大腸がんや虫垂炎などの手術のあとに腸が癒着したり、腸の腫瘍、炎症といった疾患で腸管が狭くなったりすることが原因とされています。
大腸や腸管が変形してしまうことで、本来スムーズに通れるはずの便が通り抜けられずに便が詰まる状態です。

 

後天性の異常による場合もあれば、先天性の異常による場合もあるため、器質性便秘の疑いがある方は大腸内視鏡検査や腹部エコーなどで詳しい原因を特定する必要があるでしょう。
速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

 

便秘の原因は病気や薬の副作用かもしれない!症候性便秘と薬剤性便秘について

機能性便秘や器質性便秘が便秘患者さんの多くを占めるタイプですが、便秘にはほかにも種類があるんです。

何らかの病気が原因で起こっている可能性もあるため、安易な便秘薬や下剤の使用は避け、ご自身の便秘がどの種類に該当するのか、医師に相談すべきなのかを判断することの方が大切です。

 

全身の病気が原因で起こる症候性便秘

病気によって大腸の蠕動運動が弱くなると便秘になることがあります。
このタイプの便秘は症候性便秘と呼ばれており、主に全身疾患に伴って生じるものです。

 

全身疾患の一例としては、甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症、糖尿病といった内分泌・代謝疾患、脳血管障害、パーキンソン病や精神疾患、膠原病といった自律神経疾患などが挙げられます。
また、昨今よく耳にする過敏性腸症候群も症候性便秘の原因となる疾患です。

 

いずれの場合も病気と便秘との関係性が明確にされておらず、まずは患者さんが抱えている疾患を治すことが最重要課題だといわれています。

 

薬の副作用が原因で起こる薬剤性便秘

薬剤の中には便秘を起こしやすい成分が含まれたものがありますが、各薬の副作用が原因で起こる便秘は薬剤性便秘(医原性便秘)と呼ばれています。

 

 

抗がん剤や痛み止め、制吐剤を服用することからガン患者さんは便秘を起こしやすいといいますが、これらの薬には大腸の蠕動運動を抑止する作用があるのがその理由といえるでしょう。
また、ぜんそくや頻尿、パーキンソン病の薬、風邪薬なども同様です。

 

便秘が副作用として出やすい薬剤は以下になります。

・麻薬性鎮痛薬(モルヒネ、オキシコドン塩酸塩など)
・抗コリン薬
・ベンゾジアゼピン系睡眠薬、抗不安薬
・降圧剤(Ca拮抗薬)
・鉄剤
・収れん薬
・鎮咳薬

薬の服用を中止できないケースも多いため、下剤を服用する場合があります。

 

腸活は便秘解消の手助けになる!プロバイオティクスで解決する場合も

器質性便秘や症候性便秘、薬剤性便秘にかんしては、医師の治療や指導なくては解決できません。
また、重大な病気にかかったことのある方や気になる症状がある方は、医師に相談するのがベターです。

例えば、重い腹痛や強い吐き気、発熱、便に血が混じるといった症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診した方が良いでしょう。

 

 

 

しかしながら、多くの方が該当する機能性便秘の場合、自分自身で「腸活」をおこなうことで解消できる場合があります。
また、症候性便秘の中でも原因が過敏性腸症候群の場合、腸活を習慣にすることで快方に向かうケースが多々あります。

腸活は文字通り腸内環境を良好にする活動のことを指しますが、その実践方法にはさまざまなものが挙げられます。

 

中でも「プロバイオティクス」がおすすめです。

医療機関で実際に用いられている方法で、有益な働きをする細菌を摂取すること、あるいは細菌自体を指しています。
善玉菌やビフィズス菌を食事から摂取する方法もあれば、サプリメントから摂取する方法もあります。

ぜひ、日常的にプロバイオティクスを意識してみてください!

 

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