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グリシンとは、人間の体の約20%を構成するタンパク質の素となるアミノ酸の一種です。

アミノ酸には体内で合成できないため食物から補給する必要がある必須アミノ酸と、体内で合成できる非必須アミノ酸の2種類に分類されますが、グリシンは非必須アミノ酸に属し、

甘みのある成分であることからギリシャ語で「甘い」という意味の「glykys」から「glycocoll」と名付けられ、その後「glycine」へと改名されました。

グリシンは主に血液中で酸素を運ぶ働きに関係しているポルフィリンや、抗酸化物質の一種・グルタチオン、核酸の一種・プリン体、筋肉運動に欠かせないクレアチンなどを作り出す素となる成分で、体内で合成できるため食物からの積極的な補給は必要ないものの、健康な身体を維持するうえで重要な役割を担っています。

 

◆グリシンの主な作用

◎血管拡張&血流促進作用

グリシンには血管を拡張させて血流を促す作用があり、身体の表面温度を上昇させると同時に深部温度を下げ、自然な眠りに入りやすくなるといった効果を発揮します。

 

◎ノンレム睡眠時間の増加

睡眠には身体の休息時間である「レム睡眠」と脳の休息時間でレム睡眠よりも深い眠りの「ノンレム睡眠」の2種類がありますが、グリシンにはノンレム睡眠の時間を増加させる作用があります。

 

◎深睡眠へと導く

ノンレム睡眠の中でも特に深い眠りのことを深睡眠といいますが、グリシンにはこの深睡眠へと導く作用があり、身体も脳も熟睡させてスッキリとした目覚めへと導く効果を発揮します。

 

◎抗うつ作用

グリシンには、精神を安定させる作用から「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンの分泌量を増加させる作用があり、セロトニンの分泌量が増加することによって精神が安定し活力が増すといった効果が得られ、うつ病の改善や予防効果などを発揮します。

 

◎緩衝作用

グリシンには酸性やアルカリ性などのpHを一定に立つ緩衝作用があり、胃液の酸性度を和らげる目的で医薬品などの制酸剤に使用される場合があります。

 

◎キレート作用

キレート作用とは金属を溶かす作用のことで、グリシンはリン酸緩衝液では溶けにくい金属を溶かすことができます。

 

◎静菌作用

静菌作用とは、菌の活動や増加を抑制し食品の日持ち期間を延ばす作用のことです。

グリシンはアミノ酸の中でも数少ない静菌作用を持つ成分で、加熱による殺菌が難しい耐熱性芽胞菌に対して高い静菌作用を発揮するほか、有機酸やグリセリン脂肪酸エステルといった他の静菌剤や、ソルビン酸やポリリジンといった保存剤と併用することで相乗効果を発揮します。

 

◎調味・呈味・矯味

調味とは飲食物をいい味に調えるもの、呈味とは味を感じさせるもの、矯味とは味や臭いを消失または抑制して整えるものです。
グリシンそのものには甘みがあるほか塩味を和らげる作用もあることから調味や呈味、矯味を目的として使用される場合があります。

 

◎メイラード反応

メイラード反応とはアミノ酸と糖を加熱した際に香ばしさを伴う褐色反応のことで、グリシンはメイラード反応に必要なアミノ酸として菓子製品などに使用されています。

 

◆グリシンの主な効果/効能

・安眠効果(血流促進・ノンレム睡眠時間の増加・深睡眠へと導く作用などにより身体と脳をしっかり休息させるため)
・うつ病の改善&予防(グリシンが精神を安定させ活力を引き出す「幸せホルモン」のセロトニンの分泌を増加させるため)
・美肌効果(ノンレム睡眠時間を増加させることで肌代謝を促す成長ホルモンの分泌が促されるほか、肌のハリ・弾力の素となるコラーゲンの1/3をグリシンが構成しているため)

 

◆グリシンの様々な用途

 

◎食品
・調味料(甘み・旨味・調味・呈味・矯味などを目的として使用)
・日持向上剤(静菌作用により食品を長持ちさせる)
・着色料&香料(メイラード反応を焼き菓子、焼き豚、醤油などに使用)
・サプリメント(栄養補給を目的として使用)

◎医薬品
・輸液(エネルギー補給やアミノ酸補給を目的として使用)
・制酸剤(胃腸薬など制酸剤の副原料に使用)

◎工業製品
・洗浄剤&メッキ(IT精密機器部品の研磨剤や洗浄剤、金属のメッキ浴に使用)
・肥料&農薬(グリシンとミネラルを混ぜ合わせたものを肥料として使用、グリシンとリン酸の合成物を除草剤に使用)
・動物薬&飼料添加物(子牛の下痢による脱水症状の治療薬として、ペットフードなどの栄養補給向上の添加物として使用)

 

グリシンは非必須アミノ酸であるため基本的に食材から積極的に補給する必要はありませんが、近年では高い安眠効果から1日3gを目安に就寝30分前の摂取がおススメされています。

 

文部科学省のデータベースでは牛乳200mlでグリシンは120mg摂取でき、きな粉約10gでは170mg、豚由来のゼラチン約10gでは2400mg、菓子類のゼリーゼラチンですと約400mgを摂取できます。

毎日続けるのは難しいという場合にはサプリメントでの摂取をおすすめします。