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2019年1月12日【リボフラビンとは?】
リボフラビンとはビタミンB2の別名です。
ビタミンにビタミンB2の他にも、ビタミンA、B群、C、D、Eなど色々な種類があります。
それぞれのビタミンは違う作用、効果があり、体内で大切な働きをしてくれています。
ビタミンB2はリボフラビンにリン酸が1つ結同したフラビンモノヌクレオチド(FMN)、もしくはフラビンモノヌクレオチドにAMPが結合したフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の形があります。
リボフラビンは、水に溶ける水溶性のビタミンで、黄色い色をしています。
ご飯に混ぜる強化米の黄色もリボフラビンによるものです。
また栄養ドリンクや栄養補助食品を摂取した後、濃い黄色の尿が出るのは、リボフラビンが排出されているからなのです。
この黄色い色素を持つリボフラビンは、着色料として食品添加物に使われることもあります。
リボフラビンはエネルギーを代謝させて成長を促進します。
体を構成している細胞の新陳代謝をサポートしているのがリボフラビンなのです。
また健康な皮膚、爪、髪などをつくるのにもリボフラビンは欠かせません。
リボフラビンは糖質、タンパク質、脂質の3大栄養素を分解してエネルギーに変える補酵素としての役割もあります。
つまりタンパク質や脂質、糖質などの3大栄養素の摂取量が多くなればなるほど、リボフラビンの摂取が必要となるのです。
目次
【リボフラビンの吸収】
体の細胞中のリボフラビンは、そのほとんどが酵素タンパク質と結合した状態で存在しています。
食べ物に含まれるリボフラビンは調理や消化の際に、結合している酵素タンパク質が変性してFMNやFADが遊離します。
遊離したFMN、FADは小腸粘膜で分解され、リボフラビンの形となり、小腸の上皮細胞から吸収されます。
食事からのリボフラビンの利用効率は約64%となっています。
リボフラビンは生体内で再びFADやFMNに変換され、糖質、脂質、タンパク質の代謝、エネルギー産生に関与している酸化還元酵素の補酵素として働きます。
またリボフラビンは皮膚のビタミン、発育のビタミンとも呼ばれており、発育促進に重要な役割を果たし、皮膚や爪、髪の細胞再生を促進してくれます。
【リボフラビンの効果・効能とは?】
リボフラビンの効果・効能は以下の通りです。
・成長促進効果
・生活習慣病の予防・改善効果
・糖尿病予防効果
・ダイエット効果
・粘膜や皮膚を健康に保つ効果
・片頭痛を改善する効果
それぞれまとめてみましょう。
<成長促進効果>
リボフラビンはタンパク質の合成に関わる補酵素として働きます。
タンパク質の合成を促進することで、細胞の再生や皮膚・毛髪・爪・粘膜などを作り出して、全身の成長や健康維持をサポートします。
成長促進に欠かせないリボフラビンは、粘膜を保護する働きがあり、唇、舌、目などの粘膜性部位の健康を維持してくれます。
成長過程のお子さんにとっては、リボフラビンは非常に重要なビタミンになるので、積極的な摂取が望ましいです。
<生活習慣病の予防・改善効果>
リボフラビンはグルタチオンペルオキシダーゼと呼ばれる酵素と一緒に働き、過酸化脂質の分解を促進する働きがあります。
過酸化脂質とはいわゆる活性酸素のことであり、体内にたくさん蓄積すると動脈硬化を引き起こしたり、体をさび付かせ老化を進行させたり、発がん性もあると言われています。
この有害物質である過酸化脂質の分解をリボフラビンが促進することで、動脈硬化や高血圧、脳卒中、心臓病などの生活習慣病予防につながります。
またリボフラビンと一緒にビタミンEを摂取すると、過酸化脂質の生成が抑制されるので生活習慣病予防・改善にさらに効果的です。
<糖尿病予防効果>
リボフラビンは糖の代謝を促進する働きがあります。
糖尿病はインスリンと呼ばれるホルモン分泌が減少し、糖質代謝に異常をきたすため、血糖値が上がる病気になります。
リボフラビンの糖代謝促進効果によって、血糖値を下げて糖尿病を予防できるのです。
<ダイエット効果>
体に脂肪をため込んでしまうと、肥満になりやすいです。
つまり肥満にならないためには、脂肪を体にため込まないようにすることが大切。
そのためには食事から吸収された脂質や糖質はしっかりと分解して、エネルギーに変換して消費する必要があるのです。
リボフラビンは糖質、脂質、タンパク質の代謝を促進して、エネルギーへと変換してくれます。
脂質や糖質代謝が高まることで、余分な脂肪が蓄積しにくくなり、ダイエットにつながるのです。
リボフラビンは、ダイエット中にも意識的に摂取することが望ましいでしょう。
特に食事制限ダイエットをしている場合、リボフラビンは不足しがちなので、サプリメントなどで摂取するのもおすすめです。
<粘膜や皮膚を健康に保つ効果>
リボフラビンは皮膚や粘膜、爪、髪などの健康を維持する働きがあります。皮膚のビタミンとも呼ばれているリボフラビンが不足すると、口角炎や口内炎などの皮膚や粘膜のトラブルが起こりやすくなります。
また目の角膜健康維持にも役立っており、目に対する機能性を高めてくれます。
<片頭痛を改善する効果>
リボフラビンは片頭痛を改善する効果が期待できます。
リボフラビンを摂取することによって片頭痛の頻度や持続時間が減るという研究結果が報告されています。
【リボフラビンの1日摂取量はどれくらいなの?】
リボフラビンはエネルギー1000kcalに対して、0.5mgと言われています。
女性であれば、18〜48歳が1.2mg、50歳以上で1.1mg
男性であれば、18から49歳で1.6mg、50〜69歳で1.5mg、70歳以上で1.3mgとなっています。
リボフラビンは水溶性のビタミンB2になるため、たくさん摂取しても余剰分は尿中に排泄されてしまい、体内には蓄積されにくいです。
そのため、多量に摂取したとしても過剰障害、副作用などは起こりにくいです。
実際に過剰に摂取した事例においても、特に健康被害は報告されておらず、耐容上限量などは設定されていません。
【リボフラビンが不足するとどうなってしまうの?】
リボフラビンが不足すると、代謝の中でも特に脂質の代謝がうまくいかなくなるため、脂質をエネルギーとして利用しにくくなります。
またリボフラビンの摂取量が少なくなってしまうと、皮膚や爪、髪の健康維持がうまくいかなくなります。
肌荒れが起こったり、髪が抜けたりするトラブルが起こります。
さらにリボフラビンは皮膚や粘膜の機能を正常に保ってくれるので、リボフラビン不足によって炎症症状がおこりやすくなります。
よく起こる炎症症状には
・口内炎(口の中にできものができる)
・口角炎(口の端が腫れて切れてしまう)
・舌炎(舌が腫れて痛みを伴う)
・口唇炎(唇が腫れて赤くなる)
・脂漏性皮膚炎(頭皮の皮脂分泌異常による頭皮がべたべたになりかゆみを生じる)
・角膜炎(目の角膜に炎症がおこる)
・結膜炎(結膜に炎症がおこる)
・目の充血
・涙が出やすくなる
などがあります。
口の周りの粘膜は特にリボフラビン不足によって症状が出やすいです。
口の周りの皮膚や粘膜は新陳代謝が早く、細胞が生まれ変わりやすいので特に影響が出やすい部位と言われています。
またリボフラビンは、発育促進においても重要なビタミンB2です。
成長期の子供でリボフラビンが不足してしまうと、成長障害がおこる可能性があります。
リボフラビンは、タンパク質、脂質、糖質の代謝に必要な栄養素であり、エネルギーの消費量が多い人ほどリボフラビンを必要とします。
子供は活動量が多いので、リボフラビンができるだけ不足しないようにしっかりと注意して、積極的に摂取する必要があるでしょう。
妊娠中の女性もリボフラビンが不足しやすので、サプリメントなどでできるだけ積極的にリボフラビンを摂取した法がよいでしょう。
【リボフラビンが多く含まれる食品とは?】
リボフラビンが多く含まれる食品には
・肉類:牛レバー、豚レバー、鶏レバー、豚肩ロース
・乳製品:牛乳、ヨーグルト。アイスクリーム
・魚介類:どじょう、うなぎ、カレイ、さんま、ブリ、ウニ
・野菜類:緑黄色野菜、モロヘイヤ、アボカド、菜の花、クレソン
・その他:納豆類、豆類(アーモンド、落花生)卵、きなこ
などがあります。
100g当たりの含有量が多い食品としては
・豚レバー(100gあたり3.6mg)
・牛レバー(100gあたり3mg)
・鶏レバー(100gあたり1.8mg)
・うなぎ(100gあたり0.74mg)
・卵(100gあたり0.43mg)
・納豆(100gあたり0.56mg)
になります。
レバー、納豆、卵、乳製品を積極的に摂取すれば、リボフラビン不足になることはありません。