月見草オイル(イブニングプリムローズオイル)の効能と効果、作用について その1

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月見草オイルは、英名ではイブニング・プリムローズと呼ばれ、主に欧米などで薬用植物として利用されてきました。

月見草オイルに含まれるγ-リノレン酸(ガンマ・リノレン酸)という成分があり、そのγ-リノレン酸(ガンマ・リノレン酸)が主に様々な効果をもたらしてくれます。

まず一番、有名なのは、PMS(月経前症候群)に効果があるという事。

プロスタグランジンというホルモン様物質のバランスが崩れることにより起こる月経前症候群(頭痛や、イライラなど)や、子宮内膜が正常に機能しないなどの症状を緩和することが臨床的に明確になっており、同様に、プロスタグランジンの影響で起こる更年期障害の緩和も報告されています。

 

γ-リノレン酸(ガンマ・リノレン酸)は、保湿作用に優れていることから美肌効果、その他に、アトピー性皮膚炎の症状の改善、関節リウマチ、糖尿病や、ぜんそく、大人にきび、ダイエット(セルライトの解消も含む)など。

美容的な点でも女性にも人気であり、コレステロール値や高血圧の改善という点では、男性にも人気です。

 

更に、γ-リノレン酸(ガンマ・リノレン酸)は、体内で分解されると、プロスタグランジン1というものに変換されます。

このプロスタグランジン1は、コレステロールの降下作用や、血圧の降下作用を促す作用を持つため、月見草オイルは、コレステロール値の低下や、高血圧に有効と言われています。
γ-リノレン酸(ガンマ・リノレン酸)は、酸化しやすいため、ビタミンEなどと共に摂取するのが望ましいと言われています。

また、一般的に短期間では効果が期待出来ないため、1年程度は続けるのが望ましいと言われています。

 

月見草オイルの主な効果/効能/作用

・PMS(月経前症候群)の緩和
・美肌効果(保湿効果、にきび)
・ダイエット効果(セルライトの解消)
・高血圧、コレステロール値の改善
・糖尿病の改善
・関節リウマチの緩和
・ぜんそくの緩和
・アトピー性皮膚炎の改善
・更年期障害の緩和
・二日酔いの軽減
など

 

 

 

月見草オイルをさらに詳しく解説

月見草オイルとは、アカバナ科のハーブの一種である月見草から低温圧縮法などを用いて抽出したオイルのことです。

月見草はもともと北アメリカが原産で、17世紀にヨーロッパへと渡り、日本には幕末に伝えられました。

夏の夕方にサクラ草に似た黄色の花を咲かせることから「イブニングローズ」とも呼ばれ、30〜150mにまで成長し独特なやや強い香りを放つほか、生命力が非常に強く山や海、川底や砂漠など、繁殖場所を選ばないハーブです。

 

原産地・北アメリカの先住民であるネイティブ・アメリカンは月見草の根・葉・種を食材としていたほか、抽出液を傷や皮膚の炎症、発疹などに塗ったり、喘息の咳を鎮めるために飲用したりするなど古くから重用してきました。

現代では月見草から抽出した月見草オイルが持つ健康効果や美肌効果が注目され、サプリメントや化粧品の原料に使用されています。

 

◆月見草の主な成分

月見草オイルには脂肪酸が豊富に含まれています。

◎不飽和脂肪酸

・リノール酸:70%
・γ-リノレン酸:10.5%
・オレイン酸:8.5%
・α-リノレン酸:0.2%

 

◎飽和脂肪酸

・パルミチン酸:6.3%
・ステアリン酸:1.8%

◎その他脂肪酸:2.7%

月見草オイルの成分で最も注目したいのがγ-リノレン酸です。

 

γ-リノレン酸は月見草の種子や母乳などにしか含まれていない貴重な不飽和脂肪酸で、アレルギー症状の軽減効果をはじめ免疫力アップ、アトピー性皮膚炎の改善、ホルモンバランスの調整、動脈硬化の予防、美肌効果など健康や美容に嬉しい効果を発揮します。

 

◆月見草オイルの主な働き/作用

 

◎女性ホルモンのバランスを調整

月見草オイルの約80%を占めるリノール酸とγ-リノレン酸には女性ホルモンのバランスを調整する作用があり、月経前症候群(PMS)や生理痛、更年期障害などの症状を緩和させる効果があります。

 

◎アトピー性皮膚炎の緩和

アトピー性皮膚炎とは、アレルギー体質に様々な刺激が加わることで肌に慢性的な痒みが現れる皮膚疾患です。
主に強い痒みと湿疹が現れますが、湿疹が現れる原因の一つがγ-リノレン酸の不足といわれており、月見草オイルを摂取することでアトピー性皮膚炎の症状を緩和させることができます。

 

◎妊娠しやすい体作り

月見草オイルには血流を促す作用があり、男性の生殖機能をアップさせる効果があります。
またγ-リノレン酸には女性の子宮頚管の粘膜を増量させる作用があり、精子が子宮に届きやすくなることで妊娠率がアップします。

 

◎鎮痛作用

自己免疫疾患の一種で手足に炎症が発生する関節リウマチは、原因の一つにホルモンバランスの乱れが挙げられます。
月見草オイルにはホルモンバランスを整える作用があるため、関節リウマチの痛みを鎮める効果があります。

 

◎育毛促進作用

加齢による薄毛や抜け毛は女性ホルモンのバランスの乱れが原因の一つです。
月見草オイルには女性ホルモンのバランスを整える作用があるため、加齢による薄毛や抜け毛を改善させる効果があります。

 

◎美肌作用

月見草オイルに含まれるリノール酸は保湿作用に優れているほか、γ-リノレン酸は肌細胞が本来持つ防御機能を高める作用があります。

この2つの成分の働きにより肌内部をしっかり水分で潤し、肌表面に保護膜を作って水分の蒸発を防ぐため、みずみずしい美肌へと導くことができます。
また月見草オイルは女性ホルモンのバランスの乱れを整える作用もあるため、ホルモンバランスの乱れが原因となるニキビや肌荒れといった肌トラブルを改善させる効果もあります。

 

◎血糖値・コレステロール値・血圧の上昇を抑制

月見草オイルに含まれるγ-リノレン酸には血糖値やコレステロール値、血圧の上昇を抑制する作用があります。

血糖値やコレステロール値、血圧値が高い状態が続くと動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病を招く原因となるため、月見草オイルを摂取することで生活習慣病を予防することができます。

またγ-リノレン酸には代謝を促す作用もあるため、基礎代謝がアップしてダイエット効果も発揮します。

 

◎肝機能促進作用

月見草オイルには肝機能を促進させる作用があり、アルコール摂取時に大きく低下する肝機能の回復を早めてアルコール中毒や二日酔いを予防する効果があります。

 

◆月見草オイルの主な効果/効能

◎月経前症候群(PMS)の緩和(ホルモンバランスの調整作用により月経前の頭痛やイライラ、むくみなどを緩和)

◎生理痛の緩和(ホルモンバランスの調整作用や鎮痛作用によって痛みの発生や痛みそのものを抑制)

◎更年期障害の緩和(ホルモンバランスの調整作用が自律神経働きを整え、冷え性や不眠、体のほてり、大量の汗などを緩和)

◎妊活効果(男性の生殖機能向上や、女性の子宮頚管の粘液増量により精子が子宮に届きやすくなり妊娠率がアップするため)

◎アトピー性皮膚炎の改善(月見草オイルを摂取することで湿疹の原因であるγ-リノレン酸不足を解消できるため)

◎関節リウマチ痛の緩和(発症原因の一つであるホルモンバランスの乱れを月見草オイルが改善するため)

◎薄毛&抜け毛の改善(リノール酸とγ-リノレン酸が原因となる女性ホルモンのバランスの乱れを整えるため)

◎生活習慣病の予防(γ-リノレン酸が血糖値・コレステロール値・血圧値の上昇を抑制するため)

◎美肌効果(美肌作用により肌内部がしっかり潤うと同時に保護膜によって蓋をすることでみずみずしい肌へと導くため)

◎ダイエット効果(γ-リノレン酸が代謝を促進させ、基礎代謝がアップすることで痩せやすい体へと導くため)

◎二日酔い防止(肝機能促進作用によりアルコールの分解によって低下した肝機能の回復を早めるため)

月見草オイルは健康面でも美容面でも嬉しい効果を得られますが、実際に使用する際にはいくつかの注意点があります。

月見草オイルの効果と効能、作用について その2」では美容オイルとして使用する場合、サプリメントとして摂取する場合、それぞれの場合の注意点についてご紹介します。