クランベリーの効果と効能、作用について

クランベリーは、ツツジ科ツルコケモモ属の果実で、酸味が強いことが特徴のフルーツです。

クランベリーにはポリフェノールなどが多く含まれていることから、生活習慣病を改善してくれる役割があるとされています。

また、尿路系の病気を改善してくれる役割もあり、注目が集まっているフルーツなのです。
そのため、デザートのときには、クランベリーが入っているものを食べると、おいしさと、健康を同時に手に入れることが出来るでしょう。

 

クランベリーは、ネイティブアメリカンが食べていたとされ、花弁が「鶴（クラン）」に似ていることに由来して命名されています。

クランベリーは北米三大フルーツと言われており、ブルーベリーやコンコードグレープと並ぶほどに有名なフルーツです。

20世紀末からはクランベリーの研究が進み始め、尿路感染症の改善に寄与することや、歯周病の改善をするなどの役割があることが明らかになってきました。

なかでも、クランベリーにはポリフェノールがたくさん含まれていることから、抗酸化作用があり活性酸素を除去してくれることが分かっています。

 

特にポリフェノールの中でも、プロアントシアニジンが豊富に含まれています。
そのため、生活習慣病なども改善してくれると期待されています。
クランベリーは尿路感染症を改善する働きのほか、以下のような効果効能があります。

 

クランベリーの主な効果／効能／作用

・美肌効果（ビタミンCやポリフェノールが、シミや、たるみを防ぐため）
・むくみの改善（腎臓の働きを高め、体内の無駄な水分を排出するため）
・歯周病を防ぐ（抗酸化作用により、歯垢が増えることを防ぐため）
・生活習慣病を防ぐ（ガンなどの原因である活性酸素を除去するため）
・尿路感染症を改善する（大腸菌などが尿路につくのを防ぐため）

 

クランベリーにはこうした働きがあるため、スイーツなどとして積極的に摂っていくといいでしょう。
ただし、クランベリーの過剰摂取は下痢や胃腸障害、腎臓結石などの副作用を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

 

けれども、具体的な摂取量の定めは決められていないため、
クランベリーパウダーで摂るのであれば400mg～1000mg程度を摂取するのがいいでしょう。
また、ジュースであれば糖分に注意をしながら1日当たり250cc～500ccまで摂取しておくといいでしょう。

 

こうしたクランベリーを食すには、生では酸っぱすぎるので、ジャムなどにするのがオススメです。
ですが、日本ではクランベリーはあまり見られないので、
サプリメントなどで摂取すると、クランベリーの効果効能を効率的に手に入れることが出来るのでオススメです。

 

更に、近年ではオーガニックコスメティックにもクランベリーが含まれています。
ポリフェノールやビタミンCによる美容美肌効果、アンチエイジング効果を促すというわけです。
オーガニックコスメティックをお持ちの方や気になる方は成分を見てみるのも面白いかもしれません。

 

クランベリーについてもっと詳しく

クランベリーとはツツジ科スノキ属に属する常緑低木の総称で、主に北半球の寒帯地域の酸性沼地で育ちます。

1〜1.5cm程の楕円形をした真っ赤な実を付けるクランベリーは、開花前の茎・萼・花弁がそれぞれ鶴の首・頭・くちばしに似ていることから英語で鶴を意味する「Crane」から名付けられましたが、クランベリーが鶴の好物であることが由来とする節もあります。

 

日本ではあまり馴染みのないクランベリーですが、北米や北欧ではポピュラーなフルーツで、特に北米ではブルーベリーやコンコードグレープと並び北米三大フルーツの一つといわれています。

クランベリーは生食に適さないため主にジャムやジュースに加工して食べられていますが、特にアメリカでは11月の第4木曜日、カナダでは10月の第2月曜日の「Thanks Giving Day（感謝祭）」に食べる七面鳥のソースとして欠かせません。

 

原産地である北米では昔から原住民の間で万能薬として使われてきた歴史がありますが、近年の研究によって強力な抗酸化作用や尿路感染症の予防効果、歯肉炎の予防効果などが認められたことから医療分野でも注目を集めています。

 

◆クランベリーに含まれる主な成分

◎アントシアニン

アントシアニンは青紫色をしたポリフェノールの一種で、ブルーベリーに多く含まれているイメージがありますが、クランベリーにも豊富に含まれています。
このアントシアニンには目の健康促進作用の他に身体を錆びから守る抗酸化作用もあり、動脈硬化を防ぐことで生活習慣病を予防する効果などを発揮します。

 

◎プロアントシアニジン

プロアントシアニジンはアントシアニンと同じくポリフェノールの一種で、ビタミンEの約50倍もの強力な抗酸化作用があります。

この強力な抗酸化作用により血液をサラサラな状態へと改善すると同時に動脈硬化を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病や高血圧といった生活習慣病を予防する効果を発揮します。

またプロアントシアニジンは抗菌・抗ウイルス作用にも優れており、細菌の繁殖を抑制する効果を発揮するほか、肝機能を向上させる効果なども発揮します。

 

◎ケルセチン

ケルセチンはポリフェノールの一種で、体内の細胞の老化を防ぐ役割を担っているほか、関節炎の緩和や血流促進作用などを発揮します。

 

◎フラボノイド

フラボノイドはクランベリー特有の苦味成分で、ポリフェノールの一種でもあります。
強力な抗酸化作用を持ち、動脈硬化による生活習慣病の予防、アレルギー症状の緩和、視力向上、アンチエイジングなど様々な効果を発揮します。

 

◎キナ酸

有核酸の一種であるキナ酸は体内に吸収されると肝臓で代謝され、尿を酸性へと変化させる馬尿酸へと変化します。
馬尿酸によって尿が酸性に変わることで細菌が尿中で増殖しにくくなり、尿道炎や膀胱炎などの尿路感染症を予防する効果を発揮します。

 

◎ビタミンE

若返りのビタミンとも呼ばれているビタミンEは抗酸化作用に優れており、動脈硬化や生活習慣病の予防効果を発揮します。

 

◎食物繊維

クランベリーには水溶性食物繊維の一種であるペクチンが豊富に含まれています。

ペクチンは腸内に蓄積した老廃物を絡め取り排出を促す作用があるため、便秘の改善効果を発揮します。
また糖質やコレステロールを吸着して体内への吸収を阻害する作用もあり、血糖値やコレステロール値の上昇を抑制する効果を発揮します。

 

◎ビタミンC

ビタミンCには細胞間を繋ぎ合わせる接着剤の役割を持つコラーゲンの生成を促進する作用があり、肌にハリを与えて若々しい美肌作りには欠かせない成分です。
また免疫機能を司る白血球の働きを活性化する作用もあり、免疫力向上効果も発揮します。

 

◆クランベリーの主な作用／効果／効能

◎尿路感染症の改善・予防

尿道炎や膀胱炎などの尿路感染症は尿道に細菌が侵入し、尿道内の壁に付着し繁殖することが発症原因です。

クランベリーに含まれるプロアントシアニジンには尿道での細菌繁殖を抑制する作用があるほか、尿を細菌が繁殖しにくい酸性へと変化させるキナ酸も含まれているため、尿道炎や膀胱炎などの尿路感染症を改善・予防することができます。

 

◎生活習慣病の予防

クランベリーが持つ強力な抗酸化作用は動脈硬化の原因となる血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぐ効果があり、血管をしなやかな状態に維持します。

動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を招く原因にもなるため、動脈硬化を予防することで生活習慣病の予防にも繋がります。

 

◎がん予防

クランベリーに含まれるアントシアニンやプロアントシアニジン、フラボノイドには抗がん性の作用があり、クランベリーを摂取することでがんの発生を予防することができます。

 

◎眼精疲労の改善・予防

クランベリーに含まれるアントシアニンは目の健康促進作用に優れており、眼精疲労を改善・予防する効果を発揮します。

 

◎虫歯・歯周病の予防

クランベリーに含まれるプロアントシアニジンには虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖を抑制する働きがあるため、虫歯や歯周病の予防効果を発揮します。

 

◎むくみ解消

起床時に顔がむくむ、夕方に足がむくむ、といった症状は男性よりも女性に多く見られますが、これは筋肉量が大きく関係しています。

そもそも身体のむくみは、心臓から送り出された血液が足先へと到着した後、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たすことで心臓へと送り返されますが、筋肉の量が少ないと血液が十分に送り返すことができず血流が滞ることで引き起こされるため、男性と比べて筋肉量が少ない女性のほうがむくみを引き起こしやすくなっています。

また、むくみは身体に水分や老廃物が蓄積することでも引き起こされますが、クランベリーに含まれるプロアントシアニジンには腎臓の機能を活性化させて余分な水分や老廃物の排出を促進させるほか、血流を促進作用にも優れているためむくみを解消することができます。

 

◎美肌効果

クランベリーが持つ強力な抗酸化作用は肌細胞の錆びを防ぐほか、クランベリーに含まれるビタミンCには肌にハリを与えるコラーゲンの生成を促す作用があります。
こういった作用により肌にハリや潤いを与えると同時にシミやそばかずを防ぎ若々しい美肌へと導きます。

 

◎便秘解消

クランベリーに含まれる食物繊維は腸内に蓄積した便を絡め取って排出を促す作用があり、便秘を解消する効果があります。

 

◆クランベリーはこんな方におすすめ

◎尿路感染症を患っている方、泌尿器系の疾患を患っている方
◎生活習慣病を予防したい方
◎眼精疲労でお悩みの方、目を酷使する方
◎虫歯や歯周病を予防したい方
◎むくみでお悩みの方
◎肌トラブルでお悩みの方
◎便秘でお悩みの方

 

◆クランベリーの摂取目安量と注意点

クランベリーは生のままだと強い苦味と酸味があるため、ジャムやジュース、ドライフルーツなどに加工して食べましょう。

生のクランベリーを購入し自宅でジャムやジュース、ドライフルーツに加工することもできますが、市販されているものを購入すると気軽に活用できます。

ただし市販商品には加工段階で砂糖が加えられているため、過剰摂取には注意が必要です。

 

◎主な市販商品の1日あたりの摂取目安量
・ジャム：大さじ1杯
・ジュース（果汁100％）：250〜500cc
・ドライフルーツ：20〜30g

クランベリーそのものは身体に悪影響を与えることはありませんが、クランベリージュースを1日3L以上飲んだ場合、腹痛や下痢を引き起こすことがあるため過剰摂取は控えるようにしましょう。

 

もっと手軽に摂取したいという方にはクランベリーエキス配合のサプリメントをおススメします。

ただし医薬品を服用中の方、妊娠中の方、授乳中の方は事前にかかりつけの医師に相談したうえで摂取することをおすすめします。