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プラセンタとは、英語で「胎盤」を意味し、胎児の生命維持や成長を促す重要な働きを担う臓器です。

胎盤には胎児の発育に欠かせない成分が含まれており生体に対して様々な作用を発揮することから医薬品やサプリメントなどの健康食品、美容化粧品など様々な分野に使用されており、一般的にはこういった製品に使用される胎盤抽出エキスを総称してプラセンタといいます。

 

プラセンタが健康や美容目的に使用された歴史は古く、紀元前400年頃まで遡ります。

中でも古代エジプト女王のクレオパトラが若返りの秘薬として愛用していたほか、西洋ではフランス王妃のマリー・アントワネットも美を保つ秘薬として愛用していました。

さらに中国では秦の始皇帝が不老長寿の妙薬として重用し、後の歴代皇帝たちも重用したことから「紫河車」という漢方薬として珍重されてきました。

現在ではヒトをはじめ馬や豚、羊などから抽出したプラセンタが様々な分野で活用されています。

 

◆プラセンタの種類

・ヒト由来…人間の胎盤から抽出したプラセンタ。主にプラセンタ注射や内服薬など医療法に活用されています。

・馬由来…動物由来のプラセンタの中では出産回数が少ないことから希少価値が高く、価格も高額な場合が多いです。

・豚由来…馬と比べて出産回数や1回あたりの出産頭数が多いため安価な場合が多いプラセンタ。

・羊由来…北米やヨーロッパで人気が高いものの、日本国内では流通量が少なく希少性の高いプラセンタ。

・海洋性プラセンタ…魚類の卵を包む「卵巣膜」由来で正確にはプラセンタではないものの、優れた栄養価を持つ素材です。

・植物性プラセンタ…植物の種の発芽が起きる「胎座」由来で、主に美容効果が期待できる素材です。

 

日本では1956年に医療用の注射薬としてプラセンタが認可されて以降、上記で紹介した様々な由来のプラセンタがサプリメントなどの健康食品や化粧品に使用されていますが、その中には牛由来のプラセンタもありました。

しかし狂牛病(BSE)の発生を機に安全性が疑問視されたことにより、現在では販売禁止となっています。

 

また厚生労働省が「BSEが発生している国の牛や羊など反芻動物の胎盤を原料としないこと」という通知を出したことにより日本国内では羊由来のプラセンタがあまり流通していませんが、羊由来プラセンタは北米やヨーロッパでの人気が高く、安全性が確認された高品質の商品は日本国内でも年々需要が高まっています。

狂牛病(BSE)の発生以降、プラセンタによる感染症のリスクが注目を集めましたが、実際にプラセンタによって感染症を発症した報告は国内外問わず1件もなく、どの由来のプラセンタも安心して使用することができます。

 

◆プラセンタの主な成分

成長因子(グロスファクター)…細胞増殖や分化を促す内因性タンパク質で、プラセンタには次の6種類が含まれている。

 

肝細胞増殖因子(HGF)…肝細胞などの細胞を増殖させ、臓器や組織の修復・再生を促す

神経細胞増殖因子(NGF)…交感神経・副交感神経・知覚神経節細胞など、神経細胞の増殖と再生を促す

形質転換増殖因子(TGF)…体の傷など、損傷部の治癒を促す

上皮細胞増殖因子(EGF)…肌(表皮)の最下部にあたる基底層の細胞形成を活性化し、代謝(ターンオーバー)を促す

線維芽細胞増殖因子(FGF)…表皮より深部である真皮の線維芽細胞を刺激し、構成分であるコラーゲンなどの生成を促す

インスリン様成長因子(IGF)…成長ホルモンに反応して細胞を増殖させ、血管や神経、骨、軟骨などの身体形成を促す

 

アミノ酸…人間の体の20%を占めるタンパク質の構成分。

タンパク質…アミノ酸が結合して構成される成分。アルブミングロブリンなどが含まれている。

脂質&脂肪酸…細胞膜やホルモンの素となる成分。コレステロールやホスファチジン酸、バルミチン酸、ラウリン酸など。

・糖質…細胞の構造を維持して生命活動のエネルギー源となる成分。ショ糖グルコースガラクトースなど。

ビタミン類…生理機能を調節して代謝をスムーズにする成分。ビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシンなど。

ミネラル…血液や体液の調整を行う成分。カルシウムカリウム、ナトリウム、マグネシウムリン亜鉛など。

・核酸…新陳代謝の調整や遺伝子の修復を行う成分。DNARNA、及び代謝産物など。

酵素…食べ物の消化・分解を行う消化酵素と生命維持に欠かせない代謝酵素があり、プラセンタは100種類ほど含有。

 

プラセンタにはこういった成分が含まれていることから「栄養素の宝庫」とも呼ばれており、健康や美容において嬉しい様々な作用や効果を期待することができます。

プラセンタの主な作用や効果・効能は「プラセンタの効能と効果、作用について その3」もご参照ください。